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都民にとって最も身近な山――高尾山

[2011年7月号掲載記事]

 東京都八王子市にある高尾山は、都民に最も親しまれている山です。東京の中心部である新宿駅から電車を使って約50分で最寄りの高尾山口駅に到着。そこから約5分で登山口というアクセスのよさにもかかわらず、たっぷりとした自然が楽しめます。

都心から近いところで自然が楽しめるという点は、フランスのミシュランガイドでも評価され、「必ず行くべき」という評価の三つ星を与えられています。日本国内で三つ星を与えられている山は高尾山と富士山の二つだけです。

高尾山は標高599メートルとそれほど高い山ではありません。登山口から山頂まで自分の足で歩いて登っても1~2時間、山腹まではケーブルカーや2人乗りリフトを使って登ることができるので、長距離を歩きたくない人も気軽に訪れることができます。特にリフトは爽快な風を感じることができるので夏にはおすすめです。

ケーブルカー高尾山駅/ケーブルカー/リフト

 

山腹にあるケーブルカー高尾山駅もしくはリフトの山上駅から山頂までは40分ほどの道のりです。よく晴れた日には、山頂から横浜方面にランドマークタワーの姿を見ることができます。体力に自信のない人にはケーブルカー下車後、山腹にある展望台へ。山頂まで行かなくても濃い緑と八王子市内を眺めることができます。

高尾山には約1~4キロの7つの登山コースが整備されています。コース内にはトイレや休憩所があります。ケーブルカーの高尾山駅から山頂まで約1.5キロの4号路は人気コースの一つです。ゆるやかな坂道を歩きながらブナやモミの木などの緑を満喫できます。「吊り橋コース」とも呼ばれています。

さる園や野草園から髙尾山薬王院というお寺までさまざまな施設があり、老若男女を問わず、一日中楽しむことができるのも高尾山の人気の理由です。さる園には約50頭のサルがおり、なかでも毎年春に誕生する小猿の愛らしいしぐさは人々を和ませています。野草園では元々高尾山周辺で自生していた草花の保護を目的にしており、現在約300種を自然に近い形で見ることができます。

夏限定の高尾山の楽しみといえばビアガーデン。毎年7月1日から山腹の展望台が「高尾山ビアマウント」となり、都心の熱気を逃れてきた人でにぎわいます。夜景をつまみに飲むビールは最高だと、高尾山の夏の風物詩となっています。

高尾山ビアマウントはバイキング形式で和食からイタリアンまでさまざまな料理を楽しめます。また、高尾山の名物といえばとろろそば。山芋をすりおろしたものとそばを一緒に食べる料理です。昔、高尾山に登る人に精をつけてもらおうと振る舞ったのが始まりだといいますが、現代では滋養強壮の面よりも長時間エネルギーを保つことができる点で優れた料理であることが判明しています。

吊り橋/さる園/天狗

 

このように都民から親しまれている高尾山ですが、かつては崇拝の対象である霊山として近隣の住民にあがめられていました。山中にある髙尾山薬王院は744年、行基菩薩によって開山されました。まつられているのは飯縄大権現。民衆にあらゆる利益をもたらす仏神で、くちばしと翼を持っています。

このご本尊をお守りしているのが天狗です。天狗は赤ら顔に高い鼻、もしくはカラスのようなくちばしを持つもので、山中で修行を積む修験道者の姿をしています。地域によっては魔物とも神ともいわれるものですが、高尾山ではご本尊の護衛として考えられています。高尾山では鼻の高い天狗を大天狗、くちばしを持つものを小天狗もしくは烏天狗と呼んでおり、境内にはその像もあります。

高尾山には天狗にまつわる伝説がたくさんあります。撮影スポットでもあるたこ杉にまつわるものもその一つです。この杉の木は高さ37メートル、幹周り6メートルと巨大ですが、その大きさよりも目を引くのはその根の形です。根が地上に盛り上がっているのですが、その姿がまるでタコの足のように見えるため、たこ杉と呼ばれているのです。

髙尾山薬王院/たこ杉

 

かつて薬王院への参道を整備しようとしたとき、この大杉がちょうど道の真ん中にあり整備を邪魔していました。天狗の特別な力で木を倒してしまおうとしたところ、切り倒されては大変と杉がその根を使って動いたので、道を作ることができたという話が残っています。幹にからみつく太い根を見るとこの伝説が本当に思えてきます。

高尾山は自然が多く残っているため、夜になるとムササビが木から木へ飛び移る姿を今でも見ることができます。明かりが少なかった昔では、空を飛ぶムササビの姿を天狗と勘違いした人もいたかもしれません。天狗は高尾山では身近な神の化身として、時としてやさしく、時として厳しく人々の生活を見守ってきたのです。

写真提供:八王子市観光課
写真提供:高尾登山電鉄株式会社
写真提供:髙尾山薬王院

文・市村雅代


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