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外国人を対象にした宿のオリジナル企画

[2014年2月号掲載記事]

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パークホテル東京

パークホテル東京(東京・汐留)には墨で描かれた力士や、禅の文字がダイナミックに躍る「アーティストルーム」があります。宿泊客の6割を占める外国人客に向けて開業10周年記念に企画された部屋です。「日本の美意識を体感していただくための空間です」と総支配人の林義明さんはその意図を説明します。

アーティストルームは一部屋すべてを一人のアーティストが担当し演出します。「絵を描くというよりも部屋を創るという感じですね」と林さんは言います。この企画はアーティストにとっても魅力的なものになりました。一部屋を使って自分の世界観を表現できるうえ、PRはホテルが行ってくれるのです。報酬は材料費程度ですが、希望者は多いといいます。

2013年には4つのアーティストルームが誕生しました。すべて墨を使ったものです。今後は色彩を用いた部屋も登場する予定です。「2014、2015年にはそれぞれ9部屋ずつ増やし最終的には31室になります。将来的にはアーティストルームのある31階をアーティストフロアにして廊下やラウンジでも日本の美意識を表現する予定です」と林さん。

特に外国人へアピールしたかったため、アーティストルームの宿泊案内はホームページでは英語版のみで紹介されています。実際に日本人客よりも外国人客に人気があり、特に相撲のデザインの部屋は好評です。同ホテルでは他にも錦鯉の泳ぐリラクゼーション映像が見られる部屋もあります。こちらは外国人にも日本人にも好評です。

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流しそうめん(うたのぼりグリーンパークホテル)

スタイリッシュとは逆に田舎を売りにしているのが、うたのぼりグリーンパークホテル(北海道枝幸町)です。ツアー客はこのホテルで催される日本文化を体験するアトラクションを楽しみに、札幌市からバスで約4時間かけてやってきます。

「今回は札幌や小樽を含む4泊5日のツアーですが、歌登がメインです」と話すのはタイ人ガイドのサリサ・ラースィージャムさんです。「通常のツアーでは味わえない様々な日本の体験ができますし、日本の田舎を知ることもできます」。

ツアー客は午後6時頃に到着すると、女性は浴衣に、男性は甚平に着替えます。居合(一瞬で刀を抜いて目標を切り、さやにおさめる武術)を見学し、生け花を体験し、寿司を自分で握ります。食事の合間にも、縁日の射的や剣玉で遊んだり、流しそうめんを楽しんだりできます。夕食後、希望者はバスに乗り込んでナイトサファリに出かけます。冬はかまくらで遊ぶこともあります。

「おもちゃ箱をひっくり返したようなパーティーを楽しみに来てくださるんでしょう」と副支配人の小路一徳さんは言います。バンコク-新千歳空港の直行便が増えたことに伴い、タイ人向けのプランをタイ人のエージェントと一緒に考えてきました。プランを始めてから4年目になります。

アトラクションは基本的に従業員で行い、使用するものも手作りです。経費はほとんどかかっていません。「いらっしゃるのはタイの富裕層の方々です。田舎ですから、世界中の高級なものを見てきた人に同じもので勝負しても仕方がない。そこで素朴にもてなすことにしたんです」。

タイからのお客をメインにしていますが、タイ語の流ちょうな従業員は1名のみ。ほとんどの従業員は英語や4年間の経験で覚えた片言のタイ語を使って身振り手振りでお客とコミュニケーションを取っています。小路さんは「それでもお帰りになる際、『三ツ星のホテルにひけをとらないサービスだったよ』と言われることもあります」と手ごたえを感じています。別の国の観光客を対象にしたツアープランも検討中です。

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カプセル旅館

2000年にオープンした京都のゲストハウス、ツアークラブは外国人を対象にした宿の先駆的な存在です。オーナーの清水慶治さんは学生時代に世界中を旅しゲストハウスに宿泊しました。その経験から、当時日本にほとんどなかった外国人向けゲストハウスを運営し、日本を世界中のバックパッカーが訪れる国に変えようと考えていました。

事業は成功し、日本にもゲストハウスが次々にオープンするようになります。清水さん自身も、さらに外国人向けのもう1軒のゲストハウスと長期滞在者向け家具つき宿を開業します。そんな中、お客の「カプセルホテルに泊まってみたい」「ユースホステルの個室ではなく、シャワートイレ付きの低料金の旅館に泊まりたい」という意見を耳にするようになります。

「日本でしか体験できない独特な宿泊施設、それがカプセルホテルと旅館なんです。その二つを融合させた外国人向けの宿をつくって低料金で提供できるようにしようと思ったんです」と清水さんはこれまでにない業態である「カプセル旅館」を考えついたきっかけを語ります。

通常のカプセルホテルは量産されたカプセルを詰めこみます。しかし、畳の形やサイズを考えると、そのようなカプセルを使うことは難しいのです。清水さんは快適な空間にもこだわっていました。「新幹線のトイレやキャンピングカーなど小さな空間を有効活用している場所を、日々メジャー片手にまわりました」とカプセル旅館のオリジナルコンセプトを固めていった日々を振り返ります。

カプセル旅館は2010年にオープンしました。カプセル部屋は1部屋で、通常よりも少なめに8つのカプセルを設置しています。カプセルの中は畳敷きにし、寝心地のよい布団を用意してあります。最終のチェックインは午後10時です。夜の出入りがないので一般のカプセルホテルのような騒々しさはありません。バックパックやスーツケースの入る大きなサイズのロッカーもあります。他に2人で宿泊できる小さな畳敷きの個室もあり、そちらは高機能シャワーとトイレ付きです。

「世界のどこにでもあるゲストハウスを日本に広めようとがんばってきました。今度はこの新しい業態を世界に広めようと思ったんです」。ねらい通り、世界に一つしかないその仕様は、オープン直後から外国人客に大人気となります。宿泊客が館内を撮影し動画サイトにアップしたこともあり評判はどんどん広まりました。そして2011年には口コミの旅行サイト、トリップアドバイザーの外国人の選ぶ宿部門で高級ホテルを抜き、日本で1位になりました。

日本がバックパッカーの来やすい国に、という清水さんの夢はかないつつあります。しかし「日本の観光地は、魅力的なコンテンツは満載なのですが、英語の表記やディスプレイの方法が不十分で、良さがなかなか伝わらない面があると思います」と話します。外国人が日本の良さを体感できるようなサービスはまだまだ発展の余地がありそうです。

文:市村雅代


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