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現代に息づく神様、仏様

神社やお寺へ行くことは日本人の習慣のひとつです。例えば一月には神社やお寺へ行き、新しい年の幸せを祈ります。夏のお盆(8月13日から16日)にはお墓へ行き、亡くなった人の供養をします。試験を受けるときや子どもが生まれたときには、神社へ行って幸運を祈り、人が亡くなればお寺でお葬式をします。このように神社やお寺は日本人にとって、生活の一部となっています。

実際には神社は神道、お寺は仏教で宗教が違います。神道は日本に昔からある宗教で、強い力を持つ山や川、動物や人を神様として祭ります。仏教は6世紀頃日本に来た宗教で、仏様を信じて救済を祈ります。神道と仏教は影響し合い、日本独自の文化を作り上げました。今でも日本の生活に深く関わっており、特に最近は新しいブームが起きています。

例えば「仏像ブーム」。仏像とは仏様の彫刻です。これまでの仏像には、お寺や仏壇にあるもの、年配の人が祈るものというイメージがありました。しかし最近は芸術としてその美しさが見直されていて、幅広い世代で人気となっています。2009年に東京で開かれた「国宝 阿修羅展」は約2ヵ月間で90万人もの人を集め、新しいブームを印象づけました。

新しい仏像ファンは作ることにも積極的です。仏像彫刻家の関侊雲さんは、2年前に仏像作り教室を始めましたが、生徒が増えたため教室を増やしました。関さんは「よその教室に比べるとうちは平均年齢が低いと思います。始めた動機はさまざまです。彫刻が好きだからという人もいれば、亡くなった親の供養のためという人もいます」と話します。

関さんの教室に入ったばかりの若いカップルはこう言います。「もともと仏像が好きで、よくお寺めぐりをしていました。そのうちに自分で作りたくなり、一緒にこの教室へ入りました」。女性は「飾りのたくさんついた、豪華な仏像が作りたい」と話します。一方男性は「おれは戦闘系。四天王とか、かっこいいのを彫りたい」と言います。

子ども連れで通っている男性は「仕事がコンピューター関係なので、毎日がデジタル、バーチャルな世界です。そうしたら逆に手を動かして物を作ることがしたくなってきて、この教室に入りました。木の手触りにもいやされます」と語ります。息子さんはお父さんの作品を見ていて、「自分もやりたい」と言い出したそうです。

お寺の新しい活動も人気につながっています。1,300年の歴史をもつ薬師寺は散華絵に漫画を取り入れました。散華絵とは花びら形の紙に描かれた絵のことで、この紙は供養に使われます。「仏教はどう生きるかを説く教えです。本来のお寺はお葬式の場所ではなく、人が集まる明るい場所です。だから子どもが喜ぶ漫画も取り入れました」と薬師寺の加藤朝胤さんは言います。

東京に2ヵ所ある「坊主バー」も、お寺の新しい活動の一つです。ここはお坊さんが始めたバーで、店内には仏像と仏壇があり、ときどきお坊さんがお経という仏様の教えを読み上げます。ここではお酒を飲みながら仏教の話を聞いたり、悩みを話したりすることができます。お坊さんの羽鳥裕明さんは「ここは夜開いているお寺です」と話します。

新しい動きは神社にもあります。例えば、大阪にある「願いの宮」はITを活用して、ネット上で願いごとをしたり宮司(神社の長)さんと交流したりできます。それに、神社で神様を祭る女性、巫女体験することもできますし、日本の古い時代の音楽、雅楽のレッスンを受けることもできます。

「『人が幸せになれるかどうか』をいつも大切に考えています。神様を身近に感じてもらえるように新しい試みを続けていきたいですね」と宮司の桃山きよ志さんは言います。「いろいろな人に日本の伝統文化、神道文化にふれてもらいたい。何よりも心がきれいになる体験をしてほしい」と考える桃山さんは、巫女体験・雅楽レッスンを外国人にも公開しています。

実際に巫女体験をした女性は「とても神聖な気持ちになりました。日常に追われて昔からの夢を忘れていましたが、もう一度、その夢を目指したくなりました」と言います。遠い愛媛県から大阪の願いの宮まで、はるばる通っているという男性は「ここのお宮に祈ると願いごとがかないますし、宮司さんのお人柄にもひかれます」と話します。

桃山さんの新しい活動は願いの宮のファンを増やしています。東京都在住のある女性は、mixi(SNS)を通して願いの宮と出会いました。「私自身は無宗教ですが、目に見えない力はあると思っています」と言う彼女は、願いの宮を「オアシス」と呼びます。「願いを神様に取り次いでくださる場所です。自由な雰囲気も好きです」と語ります。

神社に集まる人たちが新しい動きを生むこともあります。埼玉県の鷲宮神社は、あるアニメをきっかけにアニメファンの間で人気となりました。一年の初めに神社へ行くことを「初詣」と呼びますが、鷲宮神社へ初詣に来た人は、2007年には約13万人でした。それが2009年には約42万人に増えました。今では外国人のアニメファンも来るそうです。

アニメファンは絵馬にキャラクターの絵を描いてつるします。絵馬とは願いを書くための木の札ですが、彼らにはそれ以上の意味がある札です。自己表現の手段なのです。「休日ごとにここへ来て絵馬を描きます」と言う茂木隆徳さんの絵馬は、数の多さと絵のうまさで評判になり、テレビにも取り上げられました。

神社へもお寺へも行き、クリスマスも祝う日本人。ある女性はこう言いました。「神様や仏様は何となく信じています。悪いことをしたら罰が当たると思うし、おみくじや占いは好き。科学的かどうかは気にしません」。この気持ちは、多くの日本人に共通しているでしょう。

文:砂崎 良

[2010年1月号掲載記事]


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