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季節感を表現する和菓子

[2013年4月号掲載記事]

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和菓子とは、日本古来の製法で作られたお菓子で、19世紀の明治時代以降に、西洋から新しく日本に入ってきた洋菓子と区別する言葉です。ただ、16世紀の安土桃山時代にポルトガルの宣教師によって伝えられた南蛮菓子は、洋菓子と似ているので、両者を混同する日本人も少なくありません。南蛮菓子と洋菓子の似ている例として、カステラとスポンジケーキ、ビスケットとクッキー、こんぺいとうとキャンディーなどがあります。

日本人の誰もが和菓子とみなすお菓子の例といえば、だんごです。もちを小さく丸めたもので、多くの場合、竹串に刺した状態で食べます。しょうゆに砂糖などをまぜたたれをかけたみたらしだんご、もちに、よもぎを練りこんだ草だんご、ピンク、白、緑をセットにした三色だんごなどがあります。もち米と水を練り合わせたもちを使った和菓子は、だんご以外にもたくさんあります。

桜もちは、同じ名前でも、関東風と関西風で形が違います。関東風の桜もちは、水で溶いた小麦粉をクレープ生地のように焼いてあんをはさみ、その外側を桜の葉で包んでいます。一方、関西風の桜もちは、米粒の食感が残るもちの中にあんを入れて、その外側を塩漬けした桜の葉で包んであります。

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だんご/こんぺいとう

 

あん(あんこ)は、小豆に水と砂糖を加えて煮詰めたもので、小豆の食感が残るものをつぶあん、裏ごしでなめらかにしたものをこしあんといいます。ほとんどの日本人が、「あんが使われているお菓子であれば、それは和菓子である」と感じるほど、重要な材料です。

大福は、あんをぎゅうひで包んでいます。ぎゅうひとは、もちでできた皮のこと。ぎゅうひに黒豆を入れた豆大福、よもぎをねりこんだ草大福、塩を加えた塩大福、あんの中にいちごを丸ごと入れたいちご大福などがあります。

大福と似たような作り方をするものに、まんじゅうがあります。まんじゅうは、皮の部分に、ぎゅうひではなく、小麦粉などを練って作った生地を使って、あんを包みます。落語(伝統的な話芸)の「まんじゅうこわい」は、最も有名なはなしのひとつです。男が「おれは、まんじゅうがこわい」と告白。友人たちが意地悪をしてまんじゅうを男の部屋に放り込んだところ、男は夢中になってまんじゅうを食べながら一言。「今度はお茶がこわい」。

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桜もち/いちご大福(つぶあん)

 

まんじゅうや大福のように、「もちや小麦粉などの生地であんを包む」という形の和菓子はたくさんあります。生地の材料や作り方が変わると、その名前も変わります。たとえば、もなかは、もち米の粉に水を入れてこねたものを蒸し、薄く延ばして焼いたもので、さくっとした歯ざわりが特徴です。たい焼きの生地は、水で溶いた小麦粉を、鯛の金型に流しこんで焼いたもの。鯛は日本で「めでたい」とされる魚です。

どら焼きは、あんをカステラの生地ではさんでいます。カステラは南蛮菓子ですが、日本独自の製法として、はちみつまたは水あめを加えて、しっとりとした食感に仕上げています。あんとホイップした生クリームを混ぜたものや、あんの代わりに栗やカスタードクリームを入れたものもあります。日本のアニメキャラクター「ドラえもん」の大好物です。

あんをそのまま味わうようかんは、あんを型に流しこみ、寒天またはくずで冷やし固めたもの。さつまいもを入れたいもようかん、栗を入れた栗ようかん、水分の割合が多い水ようかんなどがあります。水が名前の頭につくものとしては、くずで作った透明の生地であんを包む水まんじゅう(別名:くずまんじゅう)もあります。

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あんみつ/たいやき

 

水ようかんや水まんじゅうの生地と同様のものを麺状にして冷やし、黒砂糖から作った黒蜜をかけて食べるくずきりなどは、見た目で涼しさを感じるように工夫された夏の和菓子です。季節感を大切にした和菓子は数多くあります。たとえば桜もちは、その名のとおり、桜の花が咲く季節(つまり春)に食べられます。

同じ和菓子でも、食べる季節によって名前が変わるものもあります。大福や関西風の桜もちなどとは逆に、もちの外側をあんで包みこむぼたもち(牡丹もち)は、春の和菓子です。ところが、秋に食べる場合には、おはぎ(お萩)と呼ばれます。ぼたもちは、春の花である牡丹に見立てていて、おはぎは、秋の花である萩に見立てているの
です。

和菓子は、季節感や花鳥風月(花や鳥や風や月。「あらゆる自然や動植物」という意味の四字熟語)などを見た目で表現します。特に工芸菓子は、見た目を楽しみます。もち、あん、砂糖などでできているとは思えないほど精巧で、食べるなんてもったいないという感想をもつでしょう。味よりも見た目を優先しているのが特徴です。ほぼ4年に一度開催される全国菓子大博覧会は日本全国からお菓子が集まりますが、一番の見どころは工芸菓子です。

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工芸菓子

和菓子職人としての高い技術が必要な工芸菓子は、雲平や餡平など数々の和菓子を組み合わせています。雲平には、もちを焼いて粉にしたものと砂糖をぬるま湯に溶いて練った揉み雲平、蒸して作る蒸し雲平などがあります。割れやすいですが、花びらや葉など、細かな造形に重宝します。あん、もち粉、砂糖などを材料とする餡平は、雲平より丈夫でつやが出やすく、木の幹を形作るのに向いています。

和菓子には、甘いものだけでなく、しょうゆ味や塩味を楽しむものもあります。もちを乾燥させて、きつね色になるまで焼き上げ、しょうゆなどで味付けしたもののうち、小粒のものをあられ、大粒のものをおかき、平たいものをせんべいと呼んでいます。甘いものも塩気のあるものも、和菓子の多くは、もち米をさまざまな形に変えて使っています。もちとあんこは、どちらも和菓子には欠かせない材料なのです。

ひろしま菓子博

文:松本誠也


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