Language:
Hiragana Times | Facebook Hiragana Times | Twitter RSS

これはHiragana Timesに掲載した過去の記事ですが、実際のマガジンではパラグラフごとに英語と日本語が交互に掲載され、漢字にはふりがながついています。 マガジンサンプル 定期購読案内へ

マスメディアからパーソナルへ変化する日本のメディア

[2012年10月号掲載記事]

201210-1-1

マスメディアの始まりは、15世紀半ばに発明された活版印刷といわれています。これまで人類の歴史で重要な役割を果たしてきました。しかし現在日本では、テレビや新聞、雑誌などのマスメディアから人々が離れていく現象が起きています。

特に若い世代にその傾向が強く、NHK放送文化研究所が行った「国民生活時間調査2010年10月」によると、1995年から2010年の15年間で、10代から30代の年齢層では男女とも一日にテレビを視聴する時間は減少しています。

さらに調査結果からは、世代が下がるにつれ視聴時間が減少していく傾向も読み取れます。世代ごとのテレビ視聴時間の平均値を計算すると、日曜日の場合、10代が2時間37分なのに対し70歳以上は5時間32分になります。若年層と高齢層には約3時間の差があるのです。

国民全体の平均は15年間ほとんど変わっていませんが、これは長時間の視聴をする高齢層が平均値を引き上げた結果といえます。若い世代ほどテレビを見なくなっているデータから、将来的には国民全体の視聴時間も減少に転じる可能性が予想されます。

201210-1-2

一方で、新聞の発行部数は下がり続けています。日本新聞協会の調査データでは、2000年から2011年の間で530万部以上、約10%減少しています。雑誌業界はさらに厳しい状況です。新聞・雑誌の実売部数を調査する第三者機関・日本ABC協会によると、販売部数が対5年前比で20%以上激減している雑誌も珍しくありません。休刊になる雑誌も多いです。

マスメディアから離れた人々をひきつけたのがインターネットです。1990年代後半から日本に普及し始めたウェブサイトは、既存のマスメディアと肩を並べる力を持ちつつあります。総務省の情報通信白書によると、インターネットの個人普及率は1997年から2010年の間で、9.2%から78.2%にのびています。

東日本大震災時の報道でネットメディアが大きな役割を果たしたことが、その傾向を加速させました。福島第一原子力発電所で起きた事故について東京電力が開いた記者会見が、フリージャーナリストにより編集を加えず24時間通してネットで中継されました。「今その場で起きていること」をダイレクトに伝えるネットメディアに注目が集まったのです。

上記の記者会見を中継する際に使われたのが、動画配信サービスを提供するUstreamです。インターネット接続とビデオカメラを持っていれば、誰でも無料で動画を配信できます。またパソコンにつないだカメラからだけでなく、iPhoneやAndroid搭載スマートフォンのカメラを使って、そのまま世界中へ配信できるのも特徴です。

201210-1-3

Ustreamの画面

 

Ustream Asiaの広報担当、中垣直之さんは話します。「東日本大震災が発生した当時、報道特別番組、そして東京電力の記者会見がノーカットで配信されたことは、Ustreamが広く認知されるきっかけになりました。でもこれは私達がメディアとして発信したのではありません。あくまで動画配信のためのプラットフォームを提供しているだけです」。

「日本でのサービス開始当初から、TwitterやFacebook、mixiと連携し、日本人向けサービスの充実を心がけてきました。現在は全国30ヵ所に展開しているUstream Studioを拡大して、配信用機材をもっていないユーザーに設備と場所を提供する事業を進めています。地域情報の発信や、議会中継といった行政による活用も増やしていただきたいです」と中垣さん。

日本で生まれた動画共有サービスで最大規模のものがniconico(旧ニコニコ動画)です。動画の視聴と配信には登録が必要とされ、配信されている動画上にユーザーが投稿したコメントが表示されるコメント機能が特徴です。最近では小沢一郎(「国民の生活が第一」代表)が、コメントによる質問に回答した生放送が話題になりました。

201210-1-4

niconicoの画面

 

niconicoを運営する株式会社ニワンゴの社長、杉本誠司さんは話します。「情報と感動を共有するための方法を試行錯誤しました。画面上にコメントが表れる仕組みが最も直感に訴える効果が高いものでした。動画の投稿や生放送配信以外でも、ユーザーが『自分はこう思う』と表明できる手段の一つとして機能してい
ます」。

「niconico自体はメディアではありません。ユーザー同士が情報を発信し、受信するための場所づくりに徹しています。むしろユーザーの一人ひとりが、情報を媒介する本来の意味のメディアになっているのです。これからも裏方として、ユーザーのベーシックなストレスをなくすサービスに努めていきます」と杉本さん。

震災は深刻な被害をもたらしました。しかしネットメディアに対して向けられてきた否定的な見方を、大きく変えるきっかけになったのも事実です。情報の集積と拡散に適したインターネットが、新しいメディアとして広く認知されようとしています。そのメディアの担い手は、受信者であると同時に発信者でもある人々――まさに私たち自身なのです。

NHK放送文化研究所
Ustream Asia株式会社
株式会社ニワンゴ

文:服田恵美子


Special Link

  • 東京ビジネスホテル | 新宿へチェックイン。明日へのゆとりを感じるロケーション。
  • Homestay in JAPAN!!
  • Internship in Japan
  • 英会話の先生探すサイト。個人家庭教師・外国人と英語プライベートレッスンは先生ナビドットコム。


PR