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時間を守る日本人

[2012年2月号掲載記事]

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日本人には時間を守る習慣があります。特に「遅刻をしない」ということに関しては、ほとんどの日本人が、自然に身につけている習慣です。例えば、企業・公共機関・他人との面会にいたるまで、必ず「時間は正確に守る」という事が常識となっています。親しい人との間では遅れることもありますが、遅れることをメールで連絡します。

日本の鉄道会社では電車の到着が1分でも遅れると、車内放送でお詫びのアナウンスが必ず流れます。しかも、新幹線の場合、到着時刻や出発時刻が15秒単位で設定されています。

このように時間に厳しい環境で育ってきた日本人だけに、海外で生活をしている日本人の中には外国の時間に対する「寛容さ」にとまどうことがあるといいます。カナダに住む日本人は、引っ越しの手続きのとき、電気会社などに日取りを連絡したら「『月曜日から水曜日のどこかで行きます。確定はできません』と言われました」と話します。このようなことは日本では考えられない対応です。

また、アメリカ在住の日本人は「彼らにとって待ち合わせ場所に時間通りに来ないことは普通です。バスや電車に時刻表がない場所もあり、電車が30分遅れることも日常的です」と困惑しています。しかし、外国に長く住む日本人の中には「外国の時間感覚に慣れると、とても気楽になります。そのため、心に余裕が生まれ、いらいらすることも減りました」という人もいます。

逆に現在日本で生活している外国人は、日本の時間を守るという習慣に対してどのように感じているのでしょうか。在日外国人に聞いてみました。カナダ人の男性は話します。「郵便物や荷物が指定の時間に正確に届くので最初はびっくりしました」また、韓国人女性は「日本人は約束より15分以上早く着いています。少しでも遅れて行くととても不機嫌そうな顔をされます。遅れただけでなぜそんなに怒るのかわかりません」と言います。

また、中国人男性は「大学の奨学金申込みの時間を、午前と午後で間違えて遅れて持って行ってしまったところ、受け付けてくれませんでした。融通がきかないと思います」と話します。「遅刻をする度に謝っていたので、ごめんなさいが口癖になりました」というフランス人男性もいますし、「アルバイトに1分遅れたら、その日の仲間の態度がとても冷たかったです」と言うネパール人女性もいます。

他に、鉄道関係でこんな意見があります。ネパール人男性は言います。「ラッシュの満員電車で、ドアが閉まりかけているのに、無理矢理ドアをこじあけて乗ろうとする行動の意味がわかりません。命より時間が大切なのですか?」。また、「時刻表通りに電車が来るのには感動しました。自分の国では時刻表のない駅もあるのに」と韓国人男性は話します。

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このように、日本人の時間に対する感覚は他の国の人たちから見ると少々ヒステリックなのではないか?という答えが多くみられました。時間のゆとりがない分、電車や駅構内などでの人々の緊張感も特異な印象を受けているようです。ただ、時間に厳しくなる分、約束事などは守るので信頼できる、という意見も多くありました。

では、いつから日本人はここまで時間を意識しはじめたのでしょうか。理由ははっきりとはしませんがいくつかあるようです。それによると、日本人は元々時間には寛容で、明治時代初期には鉄道の30分遅れはあたりまえでした。工場では労働者が遅刻することも多くありました。そこで昭和初期頃の80年前くらいに導入されたのが「科学的管理法」です。これは作業効率を上げるためにアメリカで作られた労働者管理法で、労働者の作業を時間などで標準化したものです。

労働管理法を取り入れた昭和初期頃から、公共機関や企業での遅れや、労働者の遅刻が減ってきたという説があります。他に、江戸時代、武士が遅刻や欠席をするというのはとても愚かなことなので、その名残から意識しはじめている、という説もあります。また、天文と方位の関係上、日本人は昔から月や星などではなく、正確な太陽の日陰の差す方位で、季節や時間を測っていたためであるともいわれています。

世界各地の歴史書の多くが、年月日さえ書いていなかった中で、日本書紀など日本の古い文献は年月日に干支までつけてあります。このことから、日本人の時間に対する意識は、大分昔からあったようです。

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日本人は時間に厳しいという習慣が関係しているのか、日本では公園、店舗、ビルの看板などいたるところに時計があります。さらに、携帯電話を時計代わりに、また、アラームやストップウォッチとして使う人も多くいます。

日本に3年住んでいる中国人の梁琳琳さんは言います。「日本に来たばかりの頃は、学校や仕事に毎日のように遅刻していました。でも、最近は時間を意識するようになり、バランス良くスケジュールをこなせるようになりました。そして友達に信頼されるようにもなりました」。

近頃、時間に寛容な日本人も多くなりましたが、「時間を守る」ということは、日本での生活を楽しくするためには、非常に大切です。最近では、アメリカのビジネスマンの遅刻も減ってきたり、海外でも遅刻に厳しい企業が増えてきています。

文:中込公一


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