Language:
Hiragana Times | Facebook Hiragana Times | Twitter RSS

これはHiragana Timesに掲載した過去の記事ですが、実際のマガジンではパラグラフごとに英語と日本語が交互に掲載され、漢字にはふりがながついています。 マガジンサンプル 定期購読案内へ

今も進化する日本のカフェ

[2011年12月号掲載記事]

日本でカフェを探すとまず目につくのは大規模なチェーン店のカフェです。アメリカ資本のスターバックス・コーヒーや、日本資本のドトールコーヒーなどがあります。これらの店はインテリアや商品が欧米風であることが多く、同じチェーンならどの店でもだいたいメニューが同じです。人気チェーン店は自社ブランドの飲み物をコンビニ向けの商品としても売っています。このような飲み物はわざわざお店に行かなくても手に入るため、人気があります。

日本には和風のカフェや個性的なカフェもあります。老舗の和菓子メーカーとらやはあんこや緑茶など日本特有の素材を活かした商品を提供していますし、東京都三鷹市にはサイレント・カフェという、耳の聞こえないスタッフが働く店もあります。東京都中央区にあるブックシェルフカフェは、店にあるタブレット端末を使って電子書籍が読めるカフェです。自宅でおいしい飲み物を楽しむ「おうちカフェ」ということばもあります。

アニメやゲームの街、秋葉原では、メイド服を着たスタッフが接客するメイドカフェが人気です。メイドカフェが成功した後、似たコンセプトのカフェがぞくぞくと生まれました。執事や巫女の格好をしたスタッフが接客する執事カフェや巫女カフェなどです。

今年7月、秋葉原に声優カフェという名のカフェが誕生しました。「店の名前はメイドカフェを意識してつけました。お客様に『メイドカフェなどと同じような店かな』と思わせたかったんです」と店長の松風雅也さんは話します。「でも実際に来てみると、メイドカフェとは全く違うカフェだとわかりますよ。うちにいるのは全員プロの声優なんです」。

「メイドカフェを考えついた人は天才だと思います」と松風さん。「ぼくらが京都へ行ったら芸者さんを見たいと思うでしょう。それと同じように秋葉原へ来た観光客はメイドさんとかを見たいんですよ。でも今あるメイドカフェなどは衣装を着たスタッフがメインで、居心地がよくなかったり飲み物がおいしくない店がけっこうあるんです。うちは店の快適さや飲み物の味も大切にしています」。

声優カフェは飲み物だけでなくせりふもオーダーできるのが特徴です。メニューに載っているせりふを、声優であるスタッフがお客の好みに合わせて読んでくれるのです。「研究者」のせりふをオーダーされた若手スタッフの大石達也さんは10分以上かけてお客の要望に応えていました。「声優は一生修業が必要な仕事です。自分はまだまだです」と大石さんは控えめに語ります。

「日本の声優はキャラクターを声だけで表現する技術を蓄積してきました。これが日本アニメの底力であり、外国のファンが日本アニメを原語で聞きたがる理由です」と、人気声優でもある松風さんは言います。「スタッフには『お客様はこの店に一度きりしか来ないと思え』と言い聞かせています。人生で一回だけ秋葉原へ来た人に、声優カフェは楽しかったという思い出をさしあげたいんです」。

名古屋で喫茶店を38年営んでいる川合和行さんも「お客が二度と来ない観光客であっても大事にしてほしい」とスタッフに話しているカフェ経営者です。「数あるお店の中からうちを選んで来てくれたのだから来てよかったと思ってほしいんです」。

川合さんがカフェ「リヨン」を経営する名古屋はカフェの激戦区です。これは名古屋に朝食をカフェでとるという習慣があるためだと言われています。日本では家で朝食を食べるのが一般的ですが、名古屋では週末に家族そろってカフェへ朝食を食べに行ったりするのです。カフェ同士の競争が激しいため、コーヒー1杯の値段で軽食が食べられるなど、モーニングサービス(日本ではカフェなどの朝食メニューの意味)が充実しています。

リヨンはモーニングサービスを一日中オーダーできることが売りです。「モーニングサービスの時間が過ぎると客足がぴたりと止まるんです。それなら一日中やろうと考えました」と川合さん。しかし川合さんは「カフェの経営で一番大変なのはお金のやりくりではなく、いいスタッフを得ることですよ」と言います。「お金のためでなくお客のために働くスタッフを得られれば、リピーターが増えて自然と売上が上がるんです」。

名古屋で生まれ、日本全国に広がっていったカフェに「まんが喫茶」があります。これは飲み物をオーダーすると店にあるまんがを読めるのが売りでした。まんが喫茶が人気になると、似たようなカフェ、例えばインターネットを使える「ネットカフェ」が出現しました。今ではまんがが読め、ネットを使え、いろいろな飲み物を好きなだけ飲める「複合カフェ」が日本中にあります。

複合カフェの特徴は1時間あたりいくらと時間に対してお金を払うことです。「飲み物ではなく、快適な空間を売るビジネスなんです」と、全国に184店を展開する株式会社ランシステムの経営企画室長、西山利幸さんは言います。

同社最大の店舗、スペースクリエイト自遊空間高田馬場店は、約1,980平方メートルの面積に5万冊以上のまんがや6台のビリヤード台の他、シャワー室、ダーツ、パソコン、カラオケもあります。「カラオケルームの横には話題のまんがを置いています。カラオケが目当てのお客様も話題のまんがなら読みたいかもしれませんから」と店舗運営部係長、佐藤宏樹さんは説明します。「シャワー室の一つは女性専用です。ビリヤードの道具を買いたいというお客様のためには商品棚、家族で楽しみたい方には畳の部屋もあります」。

「人気が出るサービスはお客様が教えてくれます」と西山さん。「例えばレジの前にお客様の列ができていたら、それは早い入退場システムが必要だということです。それでシステムを自社開発しました」。人気の出たサービスはすぐライバル店に真似されます。しかし西山さんは「真似されるのはかまいません」と言います。「ハード面はすぐに真似されます。でもうちのソフト面である接客のよさや清潔さ、セキュリティーの高さなどはそう簡単に真似できるものではありませんから」。

日本人は「他の店がやっているからうちもやろう」と考える傾向が強いと言われます。しかし人気カフェの事例を見ると、「他の店と違ってうちはこういう店だ」と考える人の多くは、特に接客に自信のある人のようです。

声優カフェ
リヨン Tel: 052-551-3865
株式会社ランシステム

文:砂崎良


Special Link

  • 東京ビジネスホテル | 新宿へチェックイン。明日へのゆとりを感じるロケーション。
  • Homestay in JAPAN!!
  • Internship in Japan
  • 英会話の先生探すサイト。個人家庭教師・外国人と英語プライベートレッスンは先生ナビドットコム。


PR