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鉄道模型――いろいろな楽しみかた

[2011年8月号掲載記事]

鉄道模型とは、実物の鉄道にできるだけ似て見えるように作られた、精巧な模型のことです。多くの鉄道模型は、電気で走らせることができます。世界的に人気がある趣味で、日本にも愛好家がおおぜいいます。ひと口に、鉄道模型の愛好家といっても、その楽しみかたはいろいろです。

「大きく分けて、車両を楽しむ人と、鉄道が走るようすを楽しむ人がいます」と、日本鉄道模型の会(JAM)理事の藤井良彦さんは言います。「車両を楽しむ人には、自分で模型を作ることが好きな人もいれば、模型を買い集めてコレクションすることが好きな人もいます。鉄道が走るようすを楽しむ人は、ジオラマ(風景の模型)を作ったり、ダイヤ通りに運転したりしますね」。

「もちろん、これはあくまでも傾向です。愛好家がみな、ジオラマを作る人と車両のコレクターなどと、明確に分けられる訳ではありません」と藤井さんは続けます。「たいていの人は、車両も走るようすを見るのも、両方好きです。私自身、車両を買うことも好きですが、パーツを加えて改良したり、ジオラマを作ったりすることも楽しんでいます」。

藤井さんの楽しみかたの一つに、鉄道模型の写真撮影があります。鉄道模型の撮影は、光の当てかたや背景のジオラマを工夫することによって表現の幅が広がりますし、自分の好きな場所や季節、時代を再現することもできるのです。「風景をジオラマでなく、写真や絵にすることもあります。窓の近くに置いて自然光を当てると、背景が写真や絵でもリアリティーが出るんですよ」と藤井さんは話します。

JAMは、2001年から夏にコンベンションを開催しています。この会場では、「モジュール」を使った楽しみかたを見ることができます。モジュールとは、鉄道模型の用語で、箱庭のような一定の大きさのジオラマを指します。例えば仲間と「大きさは60センチ×80センチにしよう」などと決めておいて、当日、各自がその大きさで作ったモジュールを持参します。そして会場で仲間のモジュールと組み合わせて、大きなジオラマの中で模型を走らせて楽しむのです。その大きさは8メートル×12メートルになることもあり、迫力があります。

秋葉原ワシントンホテル

 

家が狭い日本では、大きなジオラマを持つことは簡単ではありません。そのため、レンタル・レイアウトと呼ばれるビジネスがあります。これは、店が店内に大きなジオラマを作って、時間単位でお客に使ってもらうサービスです。自分の家には置けないくらい大きなジオラマを使えるだけでなく、自分の自慢の車両をほかの愛好家に見てもらうことができるので、広く利用されています。

大きなジオラマを利用したビジネスはほかにもあります。東京・秋葉原にある秋葉原ワシントンホテルには、大きなジオラマのある部屋が一室あります。そのジオラマの面積は約4平方メートル、線路の長さは全部で約30メートルあります。鉄道模型を持っていないお客のために有料で模型を貸し出したりもします。

井門義博さんの楽しみかたは、とても豪華です。井門さんは井門コーポレーションという、家電店などいろいろなお店を持っている会社の社長です。井門さんは鉄道模型の愛好家であると同時に、models IMONという鉄道模型店の社長でもあるのです。

models IMON店内

 

「20年ほど前、家具の店と家電の店は今後経営が厳しくなると思いました。そこで、もっと将来性のあるビジネスをさがし始めたのです。親しくしていた模型店の店主は、鉄道模型はもうからないと忠告してくれましたが、私には成功させられる自信がありました」と井門さんは言います。「それに、自分の名のモデルを日本の鉄道模型史に残せますしね」。

models IMONは鉄道模型を販売するだけの店ではなく、メーカーでもあります。「事業をやめたメーカーから、技術者たちをまとめて引き取ったことがあります。彼らのすぐれた技術が失われてしまうのは残念ですから」と井門さんはふり返ります。井門さんの努力と戦略が成功して、models IMONの売上げは好調です。

「これまでの模型メーカーには、作る側にとって都合のよい製品を作ってきた面があると思います。そしてそれは愛好家の希望とは合っていなかった部分があります」と井門さんは分析します。井門さんは自分自身が鉄道模型好きであることを活かして、新しい規格の鉄道模型を作り出しました。「鉄道模型業界の未来を考えて、新しい製品を作る。それが何よりも楽しいんです」と井門さんは笑います。

鈴木紀子さんの家では、3世代で鉄道模型を楽しんでいます。「私自身はあまり鉄道模型にくわしくないんです。むしろ実物の鉄道、特にイギリスのものが好きで、旅行したときには、いいなぁと眺めていました」と紀子さんは話します。「でも孫の時雲が生まれて、3歳くらいから鉄道模型に興味をしめすようになりました。それで買ってやったのです」。

鈴木家の皆さん(左端が紀子さん)

 

ところが、いざ鉄道模型を買ってみると、ほかの家族も夢中になりました。紀子さんの息子の誠一さんや、夫の盛男さんも、実は鉄道模型に興味があったのです。「特に熱心なのが誠一です。レールを増やして、結局180センチ×120センチの大きさにまでしてしまいました」と鈴木さんは言います。今6歳の時雲君は、おじの誠一さんが組んでくれたレールを、ちゃんと理解して使いこなしています。祖父の盛男さんと鉄道模型のイベントに行くこともあります。ただし、盛男さんがSLにひかれるのに対して、時雲君ははやぶさ(東京と青森の間にできた新しい新幹線)が好き、という違いはあります。

誠一さんは模型の一つを改良して、中に電灯が灯るようにしました。「模型にあまりくわしくない私も、これは好きです。部屋を暗くしてこれを走らせると、宮崎駿のアニメ『千と千尋の神隠し』のシーンのようにきれいですから」と紀子さんは目を細めます。

鉄道模型は「難しい」とか「マニアックだ」と言う人もいますが、鉄道模型が料理を運んでくるレストランや、自分の模型を、「ボトルキープ」ならぬ「模型キープ」できるバーもあります。その楽しみかたはさまざまで、かんたんに楽しむこともできるようです。

特定非営利活動法人日本鉄道模型の会(JAM)
秋葉原ワシントンホテル
Models IMON

文:砂崎良


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