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制服 ― 日本人に愛されるファッション

[2011年4月号掲載記事]

日本の中学生・高校生の多くは、学校が定めた服「制服」を着ています。私服の中学校や高校、制服のある小学校もありますが、いずれも少数派です。制服に多く使われる色は黒と紺で、値段は一式、夏服が2~3万円、冬服が4~5万円です。制服はフォーマルな服でもあります。葬式などに出席するとき、よく制服が着用されます。

日本の学校は19世紀後半に制服を採用しました。和服より動きやすい洋服が必要だったからです。それで軍服をもとにデザインした男子の詰めえり、女子のセーラー服が定着しました。また当時の日本では、貧富の差が今より大きかったため、生徒同士を平等に見せるためにも、制服が必要とされました。

1960年代には「制服は生徒を管理する道具だ」と、生徒たちが着用反対の運動を起こしました。実際、いくつかの学校はこのとき制服を止めました。しかしその後運動は止み、逆にスーツやブレザーなど、おしゃれな制服が人気になりました。今では私服の学校が制服を新たに採用したり、かわいい制服の学校に、入学希望者が集まったりしています。

一方で、おしゃれを意識した着こなしが、「スカートが短すぎる」などと、悪評を買うこともあります。一部の学校ではこのような着くずしを、厳しく指導しています。先生がものさしを使って生徒のスカートの丈を測ったり、学校の外でも生徒を見張ったりしています。

高校生新聞/西健太郎さん

 

「制服に対する考え方は、学校ごとに違います」と「高校生新聞」の編集者、西健太郎さんは言います。「厳しく取り締まる学校もありますし、私服に近いくらい自由な学校もあります。傾向としては、東京は地方より、公立は私立より自由度が高いですね」。

「制服には学校の雰囲気をコントロールする力があります」と西さんは制服の効果を分析します。「学校が荒れたときなど、頭髪、制服、遅刻を取り締まると、生徒たちが本当に落ち着くんですよ。ですから厳しく取り締まる学校があるのも理解できますね」。

「街へ遊びに行くときは制服を着なさいと、先生に言われていました」と大分県出身の竹田志織さんは言います。「だから誰も悪い遊びはしませんでした。どこの生徒かすぐわかってしまうという気持ちが、ブレーキになっていたのだと思います」。

竹田さんの学校では、当時、首の周りに結ぶリボンを短くするのがはやりました。「クラスに、ファッションリーダーみたいな子が一人はいるんですよ。するとみんながその子の真似をするんです。リボンを短く結ぶと目の錯覚で、背が高く見えますからはやったんでしょう」と説明します。

しかし竹田さん自身は、その流行に乗りませんでした。「私は背が高いので、長いリボンの方が似合うと感じたんです。みんなが同じ制服を着ているので、逆に自分らしさへのこだわりが生まれるんですね。自分の体形に合う着こなしを研究しましたよ。ほかの子を見て「この服をこう着るとこんなにだらしなく見えるのか。私は気をつけよう」と思ったこともあります。自分を客観的に見る力がつきましたよ」。

©「スターダスト★ウインク」春田なな/集英社・りぼんマスコットコミックス

 

マンガ家の春田ななさんは、中学校や高校を舞台にしたマンガを描いてきました。そして制服の着こなしを、キャラクターの描き分けに利用してきました。「活発なキャラクターにはパーカーやTシャツを制服のインナーにしたりして制服をラフに着させます。反対に落ちついたキャラには、くずした着こなしをさせません」と話します。

春田さんは中学3年生のときマンガ家としてデビューし、高校に通いながらマンガを描いてきました。「私の中学校と高校は紺の上下で地味なブレザーでした。ですからセーラー服やチェックのスカートにあこがれがあって、作品にたくさん描きました。でも当時は、制服の着こなしが地方によって違うことに気づいていなくて、自分の町だけのはやりを描いてしまいましたよ」と笑います。

「マンガは白と黒の二色だけで描きます。そのため、かわいい服もかわいく見えないことがあって困ります」と言う春田さんですが、「制服には無敵なかわいさがあります」と語ります。「私ももう学生を卒業しましたから、制服というだけで魅力を感じずにはいられなくなりました。地味なブレザーやセーラー服でさえ魅力的です」。

Right up photo: AIURA Takayuki / Right down photo: YOKOYAMA Toyoko

 

「学生である時期はどんな人にもあるけれど、過ぎてしまうと二度と戻りません。だから大人は学生というブランドをうらやましく思いますし、学生たちは自分たちが旬だと理解しています。制服はそのブランドに必要なアイテムだから魅力的なんですよ」と話すのは、株式会社このみの社長、相浦孝行さんです。

同社ではCONOMiというブランドで、リボンやカーディガン、セーラー服など、制服の定番といえる商品を販売しています。「制服らしさを出すのはシルエットや素材、つくりなどです」と副社長の横山豊子さんは言います。「例えばカーディガンでいうと、制服向けは目が粗いんです。目が細かいとOL(オフィスで働く女性)のニットの雰囲気になるんですよ。制服は進化していますが、変わっていない部分もあります。その変わらない部分を積み重ねてコーディネートするので、誰が見ても『制服』だと感じるんですよ」。

「僕自身は高校生のとき、私服の自由を求めて運動しました」と相浦さんは語ります。「当時の制服はかっこ悪かったので、生徒は嫌がって着くずしましたし、先生はルールを守らせようと厳しく叱り、指導しました。でも今の制服はかわいいです。だから生徒は喜んできれいに着ますし、先生はそれを見て安心します。双方が幸せになったと思います」。

「制服は見た目がいいだけではだめです。学生服ですから動きやすくて、学校生活を楽しめるものでなければなりません。ファッションですから、世間に認められるものでなくてはなりません」と相浦さんはポリシーを語ります。学校に着ていける服という基準を守りつつ、その中で最大限おしゃれできる服--今のところ、生徒が制服を着るのをやめることはないようです。

高校生新聞社
株式会社集英社 りぼん編集部
株式会社このみ

文:砂崎 良


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