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どうして日本には清潔グッズが多い?

[2010年9月号掲載記事]

日本で生活していると、「抗菌(菌が増えにくいこと)」や「除菌(菌を殺すこと)」という文字をよく見かけます。エスカレーターの手すりや掃除グッズのラベルなどに印刷されています。また、おしりを洗うことのできるトイレもあります。ホテルやデパートなどではトイレの横に、座る部分を消毒する薬を置いてあることもあります。どうして日本には清潔グッズが多いのでしょうか。

岐阜県にある高山グリーンホテルは、温泉が楽しめるホテルです。このホテルではお客のスリッパを除菌するサービスがあります。時間は午後4時から午後9時の間で、場所は大浴場(全てのお客が利用できる大きなお風呂場)の前です。お客は部屋から大浴場までスリッパをはいて来ます。そしてお客が温泉に入っている間に、スタッフはスリッパを除菌します。

「スリッパ除菌用のダスター(掃除用の布)を5~6枚用意しています。除菌効果のある洗剤につけてから使います」と担当者の木村久さんは話します。「作業台にスリッパを5足ほどのせてふきます。それからアルコールを吹きつけ、もう一度ふいて仕上げます。汚れがひどい場合は水で洗います。そしてお客様がはきやすい向きに並べておきます。ダスターは作業のあと、洗濯機で洗って乾かします。ダスターも作業台も、このサービスのためだけに使われているものです」。

「このホテルには多いときで700人、少ない日でも300人ほどのお客様がいらっしゃいます。大浴場がこむ5時から6時半の間には、200足以上のスリッパが並ぶことがありますよ」と木村さんは言います。「スリッパをふいてくれるホテルは初めてですと多くのお客様が喜んでくださいます。アンケートでは、『スリッパをふいてくれるので感心しました』『安心してはけます』というコメントをたくさんいただきます」。

「日本人は外の泥を持ち込まないよう、家の中と外ではく物を分けています。特にスリッパははだしで使うものですから、きれいな物をはきたいと思うのではないでしょうか」と木村さんは言います。

洗剤やシャンプーなど生活用品を扱うP&Gジャパン株式会社は、「ファブリーズ」という製品を販売しています。ソファやカーテン、洗いにくい服などの消臭(においを消す)や除菌ができるスプレー式の布製品用消臭剤です。1999年の発売以来、約3億本にあたる量が売れました。現在は、置き型や車用など用途や香りが違うものも含め全部で38種類が売られています。

「ファブリーズW除菌」を使うと、日に当てて消毒した場合と同じくらい除菌する効果があります。「除菌によって、においの原因を根本的に解決しようという視点から生まれた製品なのです。消臭効果だけでなく、洗濯物を部屋の中で干す場合を考えた製品など、日本人の生活に合ったいろいろなタイプを開発しました」とマーケティングの竹中野歩さんは言います。

若い人の間では、ファブリーズを使うことを意味する「ファブする」「ファブる」という俗語も使われています。また、P&Gが日本の主婦を対象にアンケートを取ったところ、100%に近い人が「ファブリーズを知っている」と答えました。また、「ファブリーズを使ったことがある」と答えた人も90%にのぼりました。P&G以外の会社も除菌効果のある製品をたくさん販売しています。あまりに「除菌」ということばがよく使われるので、日本石鹸洗剤工業会が、「除菌」という表示をしてもよい基準を決めたほどです。

「日本人はにおいに敏感であると言われています。その理由の一つは、日本は衛生環境が整っているため、生活のなかのわずかなにおいでも感じることができるからだと考えられます」と竹中さんは言います。

TOTO株式会社は、温水洗浄便座(温かいお湯でおしりを洗うことができる便座)「ウォシュレット」を販売している会社です。ウォシュレットには種類がたくさんありますが、基本的な機能はトイレの座る部分を温かくすること、おしりを洗うためにお湯を出すことの二つです。このような機能をもつトイレはもともと、体が不自由な人向けのものでしたが、TOTOは一般の家庭向けにウォシュレットを開発し、1980年に発売しました。他の企業も温水洗浄便座をつくるようになり、今では日本の約70%の家庭が使っています。

温水洗浄便座のなかでもウォシュレットは、お湯を出すだけでなく、大きい水玉と小さい水玉をかわるがわる出したり、お湯を出す位置を動かしたりできます。そのため、ただお湯を出すだけよりもきれいにおしりを洗えます。

また、TOTOの「ネオレストハイブリッドシリーズ」というトイレは、ウォシュレット機能だけでなく、たくさんの特徴があります。汚れがつきにくい素材に特別な加工を加えて、さらに表面をなめらかにしています。水を流すと便器の内側を回るように流れて、汚れが落ちるようにくふうされています。

掃除がしやすいのも特徴の一つです。おしりを洗うためのお湯を出す部分は、使う前と後、自動的にお湯が流れて洗われるしくみになっています。また、トイレのふたもはずせるようになっています。このような汚れにくさ、掃除のしやすさは、利用者の意見を聞いて改良を重ねてきた結果です。

「日本で温水洗浄便座が人気なのは、日本人が新し物好きだからではないかと思います」と、TOTO広報部の山崎明子さんは言います。「私たちメーカーの、よい物を徹底的に追求する性格のためでもあるでしょうね」。清潔好きで新し物好きな日本人と、その希望にこたえようとする人たちの努力によって、日本の清潔な環境は保たれています。

高山グリーンホテル
P & G ジャパン株式会社
TOTO 株式会社

文:砂崎 良


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