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ますます進む日本のキャラクター化

[2010年8月号掲載記事]

日本人は商品のPRのためや観光産業を盛り上げるために、よくキャラクター(マスコット)をつくります。動物や野菜などをかわいらしくデザインしたものが多いです。こういったキャラクターは、たいていは着ぐるみ(大きなぬいぐるみで人が中に入る)になってキャンペーンをする他、キーホルダーなどのお土産品になります。日本の伝統芸能、歌舞伎にも着ぐるみが出てくるように、日本人にはなじみ深いといえます。

また、「萌えキャラ」と呼ばれるものも人気があります。これはかわいい女性やハンサムな男性のキャラクターのことを指します。アニメやマンガのキャラクターであることがほとんどです。最近は、物や町などを擬人化(人に例えること)したものが人気です。

2010年4月、静岡県の株式会社ハイスペックは、同県にある株式会社アルトラと提携し、「もつカレー」(もつはブタの内臓の一つ)を擬人化したキャラクターを募集しました。これは静岡市清水区の名産品で、この地域にはプロのサッカークラブもあります。そこでキャラクターを「清水出身でサッカーが大好き」というイメージにしました。審査の結果、「百都花恋ちゃん」というキャラクターが選ばれ、バッグの絵や看板などに使われることになりました。

ハイスペック広報担当の諸星真孝さんは言います。「花恋ちゃんはとても親しみやすいキャラクターです。静岡市の花であるタチアオイが、さりげなく髪やスカートにデザインされているんですよ。売れ行きも予想以上です」。同社は、富士山を擬人化した「ふじタン」というキャラクターのデザインも募集したことがあります。

鳥取県の湯梨浜町には、地域を擬人化したドラマCDがあります。港のある泊地区は漁師の泊美智留、温泉のある羽合地区は温かい性格の羽合・フランセスカ・侑次、というように、それぞれの地域の特色をいかして擬人化しました。そして物語を作って声優に演じてもらいました。また、ホームページも開きました。

「ホームページもドラマCDも日本語ですが、中国や香港、ドイツからも、日本語や英語で問い合わせが来ます」と湯梨浜町観光大使の加藤貴洋子さんは言います。「緑川光さんという有名な声優さんに演じていただいた効果もあると思います。バレンタインデーにはチョコレートが送られてきましたし、舞台となった場所を訪ねたというメールも来ました」。

ウェブコンテンツを作っている女性だけのチーム、「ミラクル・トレイン制作プロジェクト」は駅をハンサムな男性に擬人化しました。例えば乗客が多く、夜もにぎわう新宿駅は「人気者で女性に優しい男性」、日本の鉄道網の中心である東京駅は「時間にうるさいリーダー」という感じです。駅キャラクターたちは「池袋駅は駅ビル(駅に隣接した商業施設)のお店が充実しています」「大江戸線の六本木駅は地下42メートルと、日本の地下鉄の駅の中で一番深いんですよ」など駅や鉄道に関係ある話をしてくれます。

「駅の歴史や鉄道の知識などを、女性にわかりやすく説明することが目的です」と、宣伝プロデューサーの木立己百花さんは言います。「ウェブサイトでマンガや小説を発表し、CDなどのグッズを販売する、という形で、このプロジェクトは進んでいます。2009年10月にはテレビアニメも放映が開始され、それと同時に、ウェブサイトへのアクセス数が5倍以上に増えました。マンガやアニメのイベントでは、グッズがよく売り切れになります」。

現在、ミラクル・トレインは大江戸線を特集しています。ファンの女性たちがネット上で連絡をとって集まったり、実際に大江戸線に乗ってアニメに出てきたシーンを一緒にめぐったり、という動きも起きています。「東京に住んでいる人にとって、大江戸線は身近な地下鉄です。だから話題にすると盛りあがるんですよ」と、ファンの一人、加藤真由美さんは言います。

「日本人は昔から、物に心が宿ると考えてきました。だから物や動物の心を想像する日本人が多いのでしょう。擬人化は物への愛情がわいてくる、楽しい想像だと思います」と木立さんは言います。

実用的な擬人化もあります。スタジオ・ハードデラックス株式会社は「エレメント・ガールズ」という、元素を擬人化した本を出版しました。鉄や金など元素が118個、女の子に擬人化されイラストつきで載っています。また元素についての情報も書かれています。

「まじめな内容の物を、わかりやすくかわいくつくる。それが当社のやり方です」と代表の高橋信之さんは言います。高橋さんはアニメやマンガに詳しく、「コスプレ」という言葉をつくった人です。「漢字を使うアジア人の考え方は、擬人化に向いているんですよ。文字、つまりキャラクターが意味を持つという考え方が、擬人化につながるんです」と話します。

「誰もが少しは知っているけれど、難しくてなじみにくい元素。それが人になると親しみを持てます。それでいて、創作されたばかりのキャラクターですから新鮮さもあります」と高橋さんは話します。「擬人化キャラが人気なのは、わかりやすさと新しいかわいさの両方を持っているからです」。

株式会社ハイスペック
ロハスとうごう(ドラマCD)
ミラクル・トレイン制作プロジェクト
スタジオ ハードデラックス

文:砂崎 良


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