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茶道の心を伝える種まきをしたい

[2010年3月号掲載記事]

茶道裏千家準教授 ランディー・チャネル 宗榮さん

1993年より京都に住むカナダ人ランディー・チャネル宗榮さんは、日本の伝統文化である茶道の心を伝えようといつも稽古と指導を続けています。1985年に茶道を始め、1999年には15代茶道裏千家家元から茶名「宗榮」という名前をもらい、2年後には準教授の資格を取りました。自らも修行も続け、指導歴は今15年目になります。

ランディーさんは、枠にはまらない活動で茶道を広めることにも熱心です。梨木神社や自身の茶道教室「らん布袋」で教えるばかりでなく、京都大学や同志社などの大学でも講義します。CMの撮影監修、また、テレビやラジオ、雑誌、ウェブなどさまざまなメディアへ出演することもあります。「お茶を全く知らない人に興味を持ってもらいたいんです。まずはお茶をたてて味わってもらって、楽しいと感じてもらいたいですね」と上手な日本語で話します。

「ここに住む前に何度も訪れましたので、日本に引っ越してきたときにも、カルチャー・ショックはまったくなかったですね。でも、面白い体験をしました。味噌のパックを見てピーナツバターと間違えて買って帰ったこともありました。私はときどき「水」のかわりに「冷や」という言葉を使いますが、頼んだ人は私が日本語を話していることに気づかず、水をもらえません。もしかしたら、その言葉を知らないのかもしれません」と苦笑いします。

日本へ来た元々の目的は、弓道、剣道、居合道、なぎなた、二刀流など、武道を学ぶためでした。文武両道の考えを貫きたかったランディーさんは、武道とのバランスを取るため、何か文化的なことをしようと思いました。そのバランスを埋めるものは、茶道でした。「作法の覚えは早かったのですが、日本語の勉強の方がもっとたいへんでした。今でも敬語の使い方は苦手です」。趣味の一つだった茶道が今では生活の中心となっています。

かた苦しく思われがちな茶道のイメージを変えたいという思いも強く、結婚式の披露宴で出席者全員にお茶をもてなしたり、新郎新婦にとくべつな実演をしたりします。「テーブルの上のお盆に簡単な茶道具を事前に準備し、新郎新婦のために薄茶をたてます。寿と描かれた茶碗もプレゼントするのですが、とても喜ばれますね。一生に一度の場に立ちあえるので、私も出席していて楽しいです」。

3年前には茶道を身近に感じてもらいたいとの思いで、京都の町家を使った和風カフェをオープン。そこで開催されている茶道体験の講座には、世界各国の5歳から80歳代までと幅広い年齢の人が気軽に茶道にふれています。「感想のノートを最近見ましたら14ヵ国の言葉があり驚きました。幅広い国の人たちが茶道に興味を持ってくれたことに感動しています」。

「私は人間国宝の茶碗でも、無名のものと同じように扱います。値段は関係ないと思っています。人との接し方も同じです。お金を持っていようがいまいが、そんなことはささいなことです。それよりも一番大事なのはお茶の心です。千利休の4つの教えは『和敬静寂』。これらを日常の中で生かし、お互いを尊敬して心を合わせて茶を楽しむ気持ちです」。

今のままでは茶道が一般の人に伝わらなくなるのではとの危機も感じていると話します。「お茶の催しで、ステージに上がった講演者が緊張している姿をよく見かけます。それでは楽しさは伝わらない。もちろん、くだけすぎてもいけませんが、もっとリラックスして楽しさを演出することも、初心者に興味を持ってもらうためには大切なことです」。

「英語、日本語どちらでも対応できるので外国人の生徒もいますが、お茶の道具の名前や、作法などは訳しません。「パ・ド・ドゥ」や「一本」など、バレエや柔道などと同じように元の言葉で教えるのに似ています」。

「茶道は総合芸術の世界です。季節ごとの和菓子の魅力や、茶碗など道具の合わせ方、静けさの中でお釜のお湯がわく音など奥深い魅力があります。国籍に関係なく、関心のある人には魅力があると思います」。茶道の稽古をしている人だけではなく、「興味の種まきをしたい」とランディーさんは言います。

部屋にある掛け軸の「喫茶去」の言葉には禅の言葉で「まぁ、お茶でもいかがですか」という意味が込められています。「今の私の気持ちをそのまま表していますね。武道をやっていた頃よりも心が落ち着いている気がします。平常心が保てる茶道の魅力をこれからも伝えていきたいですね」と、おだやかにつけ加えました。

ランディー・チャネル宗榮さんのサイト
らん 布袋

文:瓦谷登貴子


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