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母音で終わる日本語の歌は響きがきれい

[2015年6月号掲載記事]

201506-7

歌手、アナウンサー、翻訳家
ナヒード・ニクザッドさん

「母国イランは1979年にイスラム革命が起きました。伝統的な曲は放送されていましたが、女性のソロ歌手による歌やそれまで流行していたアメリカの曲は禁じられました。でも私は歌が大好きだったので、家の中でいつも歌っていました」とイラン出身のナヒード・ニクザッドさんは笑います。ナヒードさんは歌手で、日本各地の国際交流イベントやイラン料理店、ペルシャ(イランの古名)じゅうたん販売店などで歌っています。ライブでイランの詩をペルシャ語や日本語で朗読したり、大学でイラン音楽についての講義をしたりしています。

ナヒードさんはカスピ海沿岸の小さな町に生まれ、フェルドーシー大学で植物学を学びました。大学時代、語学学校に通って英語も学びました。卒業後、ある農場が日本のJICA(国際協力機構)と共にプロジェクトを進めていて英語を話す人を募集していると聞き、応募して採用されました。「植物学より英語が役立ちました」と笑います。

その後、JICAで培った日本人の人脈から、JETRO(日本貿易振興機構)でも仕事をしました。「約束や時間を守る誠実な日本人が大好きになりました」と話します。そして職場で知り合った日本人男性と結婚して来日しました。「ずっと日本に住んで子育てもするのだからと思ったので日本語学校に入り、一日8時間ぐらい勉強しました」。

1年後にはほぼ完璧な日本語を話せるようになり、4年後には日本語能力試験1級(現在のN1)に合格しました。結婚後も働きたかったので仕事を探したところ、NHKワールドラジオジャパン、ペルシャ語セクションでアナウンサーとして採用されました。

「文化の違いには苦しみました」とナヒードさん。「夫が家庭や家族より仕事を優先し、同僚との飲み会は断れないと言います。それならどうして家族との夕食は断れるのか私には納得できませんでした。また、招待しても日本人ははっきり断りません。行きたくないと言ってくれた方がわかりやすいのにとショックを受けました」。

ナヒードさんは、日本がこんなに発展したのは日本文化にいい点があるからだと考えて理解しようとしました。それでも孤独感が募りました。「私が変だと思う育児方法を、ママ友たちは変だと考えません。夫に聞いてみると、ママ友たちと同じ考え方をします。私だけとけこめていないと感じてさびしくなり、子どもをどなってしまうことが多くなりました」。

これではいけないと思ったナヒードさんは、大好きな歌を勉強しようと思い立ちました。「イランでは伴奏にあわせて歌うことがなかったので最初は難しかったです」と苦笑します。やがて国際交流イベントでペルシャ民謡を披露するようになったり、ライブに誘われるなど、歌の仕事が増えていきました。

最近は日本語の歌もよく歌っています。「日本語は開放的な響きの母音が語尾に来るので、長く伸ばして歌うときの音がとてもきれいですね。童謡のメロディーも大好き。今後はイランの詩を日本語に訳して紹介したり、日本の童謡をペルシャ語に訳して歌いたいです」。

Persian Music Seda フェイスブック


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