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人の本音を引き出すアートを

[2015年4月号掲載記事]

201504-6

アーティスト
趙 燁 さん

「『きれいですね』は、人が何かを見て受けた印象を心の中で整理してから口にする言葉だと思うんです。ですからそうほめられても、自分のアートがその人の心に本当に届いたのかわからなくて、嬉しくありません」とアーティストの趙ひかるさんは言います。「私の絵を見た人が反射的に顔をしかめて『きもっ(気持ち悪い)』と言うのを聞くと、今この人の本音が聞けたと感じて嬉しいですね」。

趙さんは、ペイントを中心に活動しています。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科の3年生ですが、すでに絵画や映像作品、キャラクターデザインなど、さまざまな活動で知られています。アパレルメーカーと契約して、服やタイツのデザインもしています。

趙さんを有名にしたのは、人の皮膚にリアルに描くボディーペイントです。「美大志望の受験生だったとき、毎日静物を描かなければなりませんでした。それで、もういやだ人間を描きたい、と思って目を描いたのです。自分の手の甲に描いたのは、当時使っていた画材が高価な上、不便な場所で売っていて買いに行くのが面倒だったからです」と笑います。

手に描いた目が気に入った趙さんは、その写真をツイッターに載せました。すると1000以上リツイートされました。「当時、人体に生き物が寄生するというまんが『寄生獣』が評判になっていたので、寄生獣みたいな絵だと面白がられました。若い女の子が変な絵を描いているということも話題性があったのだと思います」と趙さん。

趙さんは、ネットの世界は流行り廃りが激しいので、すぐに忘れられるだろうと思っていました。しかしリツイートは半年後も続いていました。反響はやまず、やがてテレビ局からも出演依頼が来たり展示などをしたとき、一緒に仕事をしたいと声をかけてくれる人が現れたりするようになりました。

「鍛錬をつむ前に有名になってしまったので、この程度の絵はだれにでも描けると批判されることもありました」と趙さん。「ネット上で私や私の作品をけなす発言を見ると、スクリーンショットを撮っておいて後で見返します。参考にもなるし、面白いとも思ってしまいます。物事を俯瞰(全体を上から見ること)して見る性格なので」とシニカルにほほえみます。

「私がこのような性格になったのは、中国人の両親のもと日本に生まれ育った影響があると思います」と趙さん。「日本では中国人と扱われ、入国の際に指紋と顔写真を記録されます。まるで犯罪者予備軍扱いです。中国では、中国語が下手なので日本側の人間と見なされます」と語ります。

「でもこの生まれ育ちのおかげで、他国をおとしめて自分たちの団結を強めようとする動きを、距離を置いて見ることができるようになりました」と趙さん。趙さんはお気に入りとして、バナナに色を塗ってキュウリに見せかけた作品「It’s not what it seems」を挙げます。「人間の肌の色や国籍といった外側だけを見て、その人の内面の何がわかるの?と言いたかったのです」。

趙 燁 さん

文:砂崎良


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