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世界に平和をもたらす歌の力

[2015年3月号掲載記事]

201503-7

指揮者 加藤洋朗さん

「歌には世界を平和にする力がある」と信じ活動をしているのは、合唱指揮者の加藤洋朗さんです。1952年創立のNHK東京児童合唱団の常任指揮者として2003~2012年まで活躍。2009年には、ローマ法王(ベネディクト16世)に献歌をするという機会にも恵まれました。現在は桐朋学園大学音楽学部の講師を務めるかたわら、各地で青少年の合唱指導に取り組んでいます。

合唱団を指導するにあたり子どもたちに最も大事にしてほしかったのは、いい音楽をつくるためにいつも精一杯の努力を惜しまないということでした。「音楽に一生懸命に取り組むと、言葉では表せない自分を音楽で表現できたという強い達成感を得られるときがあるんです。生きていてよかったと思える瞬間です。そうした喜びを知れば、人を殺すほどの争いをしようなんて思わないはずなんです」と加藤さんは話します。

加藤さん自身、中学生のときに合唱する中で自分を出し切った!と感じる強烈な体験をしました。その経験から最初は指揮者を、次いで歌手を目指します。しかし専門的な勉強を始めてみると周囲とは大きな実力の差を感じました。また、自分の表現したい音楽を男声歌手として表現しきれるのかという疑問も抱いていました。「20代の頃は音楽家としての自分の将来に全く希望を見出せませんでした」と振り返ります。

進路に悩む中で出会ったのは日本の合唱指揮者の草分け的な存在の田中信昭さんです。約3年間、田中さんが指揮する合唱団で歌いながら、可能な限り指揮を学びました。「音楽、そして生きることそのものについて学びました。教えていただいたことが現在の私の指導の基盤になっています」。

昨年10月からは「歌で平和をアピールしたい」という大使夫人たちの合唱団の指揮をしています。わずか1ヵ月半の練習期間で、30ヵ国の大使館関係者約60人を前にコンサートを行いました。披露したのは、クリスマスソングと東日本大震災被災者のためのチャリティーソング「花は咲く」です。「『花は咲く』はみなさんの希望で日本語で合唱したんです。でも、とても苦労されていました」。

コンサートはとても盛り上がりました。加藤さんは演奏終了後に夫人たちがとても緊張していたことを知ります。握手をした手がとても冷たかったのです。最後に挨拶をしたフィンランド大使夫人は「自分が音楽を通して平和を訴えられるなんて思いませんでした」と涙ぐみながら会を締めくくりました。

「なんとかして自分の思いを表現したいと願うと、歌唱の技術を超えて聴き手にメッセージが届くことがあるのです」と加藤さんは音楽の持つ力を改めて感じています。今後は、世界の平和と融合のために、多くの若い人と良質な音楽をつくりたいと考えています。

写真:渡辺 力
文:市村雅代


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