Language:
Hiragana Times | Facebook Hiragana Times | Twitter RSS

これはHiragana Timesに掲載した過去の記事ですが、実際のマガジンではパラグラフごとに英語と日本語が交互に掲載され、漢字にはふりがながついています。 マガジンサンプル 定期購読案内へ

ホスピタリティーの感覚がそっくり

[2015年2月号掲載記事]

201502-3-1

アゼルバイジャン共和国特命全権大使
ギュルセル・イスマイルザーデさん

「来日前は、日本は先進国だから窓なども電動で開け閉めするのだろうと想像していました。でも私が留学生として借りた宿舎は各部屋がとても小さく、トイレは共用、お風呂は銭湯に行くという環境だったので、来る前の想像とはだいぶ違っていて驚きましたね」と、ギュルセル・イスマイルザーデ大使は、流ちょうな日本語で話します。

大使は1993年に外務省に入りましたが、1996年10月に大学院生として来日しました。「母国のバクー大学を卒業した後、日本から奨学金をいただいて筑波大学で日本語を6ヵ月間学びました。それから上智大学で修士号と博士号を取りました。2005年1月に一度帰国しましたが、勉強させてくれた日本に貢献したいと思って外務省に戻り、その年の9月に設立したばかりの駐日アゼルバイジャン共和国大使館の外交官として再来日しました」。

アゼルバイジャンはカスピ海の西側にある国で、1991年に旧ソ連から独立しました。「2005年は我が国が日本に大使館を開いた年です。私はその立ち上げに関わり、参事官を経て大使になりました。日本語ができることは、私の外交官人生で大きな強みとなっています」と大使。

大使が学生だった頃、バクー大学には日本語学科がありませんでした。「留学が決まってから日本語の教科書を探し、ロシア語で書かれたものと英語で書かれたものを手に入れて、数ヵ月独学しました。アゼルバイジャン語は日本語より母音が多いし、語順も似ているので話すのはわりと簡単でした。でも読み書きは、ひらがなとカタカナに加えてたくさんの漢字もあるので苦労しましたね」と振り返ります。

201502-3-2

日本の食べ物や習慣にはすぐなじみました。「和食はヘルシーでシンプルです。懐石は美しいですね。好きな食べ物は焼き鳥にしゃぶしゃぶです」とほほえみます。「日本の銭湯もすぐ慣れました。私は何でも経験してみたいと思うタイプなので適応できたのでしょう」。

「来日前は、日本人はとてもまじめで勤勉で、修道院のような生活をしていると思っていました。でも日本に来てみたら、テレビではお笑いや落語をやっています。大学では授業中は皆まじめですが、夜は先生とも一緒に飲みに行きます。そして翌日には皆またまじめな顔で授業に出てくるので、すごいと思いましたね」と笑います。

「日本に住むことによって、日本文化に対する知識が確かなものになりました」と大使は言います。「例えば、義理と義務の違いについては、来日前にルース・ベネディクトの『菊と刀』を読んで知っていました。そして来日後日本人と接していて、あるとき、これが義理かと納得できたのです。昔見た日本が舞台の映画『ブラックレイン』なども、来日後にもう一度見たらより深く理解できました」。

「日本人のいいところは協調性です。この点は日本人にもっと学びたいです」と大使は言います。「東日本大震災が起きたとき、私は母国でそのニュースを聞いて悲しみましたが、同時に、日本はすぐに立ち直るとも思いました。実際、津波の被害を受けた仙台空港は1ヵ月後には臨時便が飛びましたよね。日本人のチームワークはすばらしいと思います」。

201502-3-3

「それに日本人はグルメです。東京ではイタリア以上のイタリアン、フランス以上のフレンチが食べられると私は思っていますよ。ミシュラン・ガイドの星の数も東京が一番多かったでしょう。それに歌舞伎など独自の文化があるところも日本の魅力です」と大使。

「日本人とアゼルバイジャン人は、ホスピタリティーと優しさが似ていると思います。我が国は日本の北海道くらいの大きさです。短期間で回れますからぜひいらしてください。ドルマという、羊の肉をブドウの葉で包んでヨーグルトをつけて食べる料理がお勧めですよ。チーズやケバブはおいしいですし、各地に地方色豊かなピラフもあります」。

アゼルバイジャンは良質の石油と天然ガスが取れる国です。「石油が地表近くにあるため、昔からずっと火が燃え続けている場所があります。火を信仰するゾロアスター教が我が国で生まれたのはそのためかと思いますし、国名も火に由来するといわれています。我が国は東洋と西洋の交差点です。首都バクーの一部は世界遺産に登録されており、歴史的な建物がたくさんあります」。

「我が国は1918年から2年間、イスラム世界最初の民主主義国家として独立していた時代がありました。その時代は、女性にも選挙権が認められていました。アゼルバイジャンは1920年からソ連の一部になり、宗教は禁止されました。国民の多くはイスラム教徒ですが、アゼルバイジャンは世俗的な国です」と大使は言います。

201502-3-4

「アゼルバイジャン人はとても親日的です」と大使。「旧ソ連時代にはプロパガンダの意味もあって、貧困の苦しさをテーマにした石川啄木の俳句がよく読まれました。これが親日感情につながっていったのです。市場経済になった今は、経済発展に成功した国として日本への憧れがあり、女性の間では日本製の化粧品が大ブームです。若者の間ではアニメが人気です」。

「日本の格闘技も人気があります。柔道や空手をやっている人は多くて、北京オリンピックのときにはアゼルバイジャン人が柔道で金メダルを取りました。我が国には相撲連盟もあり、世界相撲選手権で活躍しています。いずれ日本の大相撲でもアゼルバイジャン人が活躍するのではないでしょうか。そうなったら力士名は私が贈りたいですね」と大使は楽しそうに言います。

「最後に、日本語を学んでいる外国人読者に、あなたたちの選択は正しい。日本語は学ぶ価値がある言語ですと言いたいです」と大使。「日本語の上達には日本人と接することが一番です。教科書で学ぶだけだと難しい『あげる』『もらう』などの表現も、日本人と話しているとわかってきますよ。ぜひ日本に来て日本人とたくさん話してください」と大使は話します。

文:砂崎良


Special Link

  • 東京ビジネスホテル | 新宿へチェックイン。明日へのゆとりを感じるロケーション。
  • Homestay in JAPAN!!
  • Internship in Japan
  • 英会話の先生探すサイト。個人家庭教師・外国人と英語プライベートレッスンは先生ナビドットコム。


PR