Language:
Hiragana Times | Facebook Hiragana Times | Twitter RSS

これはHiragana Timesに掲載した過去の記事ですが、実際のマガジンではパラグラフごとに英語と日本語が交互に掲載され、漢字にはふりがながついています。 マガジンサンプル 定期購読案内へ

家族を大切にするエジプト人と日本人

[2014年9月号掲載記事]

201409-4-1

ヒシャム・エルゼメイティー
エジプト駐日大使

「エジプトの野菜モロヘイヤはなぜ日本でとても人気なのか、と人に聞いたことがあります。その人は『モロヘイヤにはうまみという日本人の好きな味が含まれているからです』と答えました。日本にとってエジプトはとても遠い国ですが、シェアできるものもあるのです」と、ヒシャム・エルゼメイティー大使はほほえみます。

大使は2011年9月に来日しました。「日本での生活にはすぐ慣れました」と振り返ります。「私はいろいろな国の食べ物を試すことが好きです。和食はどれもおいしいですね。特に好きなのは鉄板焼きと寿司で、神戸ビーフもすばらしい」と言います。「ただし、日本語は難しいです。習う時間もないので残念ながらまだ話せません」。

大使は奈良、京都、大阪、福島などいろいろなところへ行きました。「どこへ行っても人々の規律正しさに感心します。それに日本人は団体行動ができます。東日本大震災のときや、サッカーワールドカップの試合後にスタジアムの清掃をする姿に、そういう長所が現れていますね。エジプト人も学ぶべきだと思います」と言います。

大使は広島と長崎にも行きました。「原子爆弾による悲劇は二度と起きてはならないことです」と悲しい顔をします。「エジプトでは外務大臣が毎年8月6日に、核兵器を二度と使用しないことが重要という談話を発表します。日本と共に、核兵器や生物兵器、化学兵器をなくす活動をしていきたいと思います」と語ります。

大使は「日本人が真面目によく働くところも好きです」と言います。「それに日本人は他の文化を知ろうとして積極的に世界へ出ます。クラシック音楽のすぐれたバイオリニストやピアニストに日本人がいたりするでしょう。そういうところもいいですね」。

201409-4-2

スフィンクス

「日本人とエジプト人には共通する点があります」と大使。「例えば家族を大切にすることです。日本の家庭では、子どもは結婚するまで家を出て行かないことが多いと聞きます。これはエジプトと同じです。また、週末にレストランへ行くと、若い人が親と来て一緒に食事をしているのを見かけます。年長者が話し始めると皆が敬意をもって聞く姿も見られますね。エジプトと似ていると思います」。

大使によれば、清潔さも日本人とエジプト人の共通点です。「ムスリムにとって清潔であることは重要で、1日5回手を洗います。日本人も清潔さを重視していると感じます」。多様な文化をとり入れるところも似ていると言います。「日本にはいろいろなファッションの人がいるでしょう。でも着物も着る人もいて伝統を守る努力をしていますね」。

「エジプトでも都市部では洋服を着る人が多いですが、地方では伝統的な衣服を着ています」と大使。「ナイル・デルタではガラベーヤというワンピースの服を着ます。シナイ半島ではヨルダンやパレスチナのベドウィンに近い衣服です。エジプト西部では茶色がかったリビアの影響を受けた服。そして南部のヌビアはとても暑い地域なので、白い服がよく着られます。私自身はお祝い事のときなどにガラベーヤに似たものを着ますよ」。

エジプトは古代の遺跡が多く残っていて、観光客が世界中から集まる国です。「わが国は最も早く王国ができた国です」と言います。「今、日本の援助によって大エジプト美術館がギザのピラミッド近くに建設されています。完成したらエジプトの長い歴史を、ファラオの時代、ローマの時代、キリスト教の時代、イスラムの時代と順に見て行き、最後にピラミッドのパノラマを見ることができる、すばらしい施設になりますよ」。

201409-4-3

アレキサンドリアの海岸

エジプトの観光業の課題は、古代のすばらしい遺跡が多すぎるので、その他の観光地になかなかお客が来てくれないことです。「紅海ではダイビングができます。地中海沿岸では釣りやさまざまな魚料理が楽しめます。シーワという砂漠の中のオアシスの町は、アレクサンダー大王がアメン神からエジプトおよび世界の支配を託されたオラクル神殿、またクレオパトラ女王が入浴を楽しんだ場所だといわれています。昔のままの生活を体験できるエコロッジというホテルも有名です」。

「観光客がエジプトで過ごす平均的な日数は1週間です」と言います。ルクソール辺りの王家の谷などを見るだけで2日かかってしまいますから、今私たちは、リピーターを増やす計画を練っています。1度目は古代遺跡を旅してもらい、2度目以降はレジャーを楽しんだりエジプト人の生活にふれたりしてもらおうと思います」。

エジプトでは、ファラオの時代に食べられていたものを食べることができます。「タマネギ、ニンニク、レント豆、キャベツ、これらは神殿の壁画にも描かれている昔からの野菜です」と大使は話します。「メインディッシュで一般的なのはコシャリという、米に揚げタマネギやマカロニなどを混ぜた食べ物です。私のお勧めはコフタという、ミンチを金串につけて焼いた肉です。ラマダン(断食)月の夜に食べるフール豆のペーストは腹持ちがいいですし、ナツメヤシもお勧めですよ」。

エジプトの主産業は観光業の他、アルミ製品などの重工業です。エジプト綿もよく知られています。「スエズ運河の通行料はエジプトにとって大きな柱です。スエズ運河は日本が2001年にレインボーブリッジに似た橋を建ててくれたので助かっています。地下鉄の建設にも、日本が協力してくれているのですよ」。

201409-4-4

スエズ運河

大使は余暇に音楽を聞くことを楽しんでいます。「ロックやジャズ、ソウルミュージックをよく聞きます。ブルーノートというジャズクラブにも行きますよ」と大使。「読書も好きです。今は日本の歴史について読んでいて、なぜ明治維新がそれほど暴力的ではないやり方でできたのかを理解しようとしています。歴史を知って、今の日本がより理解できた気がします」。

「この2~3年、エジプトの政情は不安定でしたが、現在は落ち着きつつあります。ぜひエジプトを、次の休暇に訪れる場所に選んでください」と大使は最後に言いました。「私たちは日本人を、そして世界の人を喜んでお待ちしています」。

文:砂崎良


Special Link

  • 東京ビジネスホテル | 新宿へチェックイン。明日へのゆとりを感じるロケーション。
  • Homestay in JAPAN!!
  • Internship in Japan
  • 英会話の先生探すサイト。個人家庭教師・外国人と英語プライベートレッスンは先生ナビドットコム。


PR