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ストロー笛で、人を笑顔にしたい

[2013年2月号掲載記事]

201302-6

神谷徹さん

市販されているストローを笛に加工して演奏し、テレビ出演や公演で話題を呼んでいるアーティストがいます。兵庫県宝塚市に住む神谷徹さんは、京都大学理学部在学中からリコーダー奏者への道を志し、卒業後は演奏家と指導者として活躍していました。

指導している音楽大学での合宿で、一人の学生が何げなくストローの先をつぶして音を出しました。神谷さんも吹いてみたところ、これはストローで作った管楽器だが、自分ではまだ初心者レベルの音しか出せないと感じたと話します。「では、訓練すればどんな音色になるのだろうと、好奇心がわいてきました」と神谷さんは続けます。

まず、指で押さえる穴を開けて音階が出せるようになりました。低音を出すための長い笛では、曲がるストローを使って指が穴に届くようにするなど、すべて一人で工夫しながら笛を開発してきました。共演者がいないので合奏はできませんが、なんとかハーモニーを奏でたいと苦心して、今では一人で四重奏が演奏できる楽器まで生まれました。

海外でのテレビ出演や、公演もたびたびあります。アメリカ公演では、日本の童謡「虫の声」を、バッタの形をした笛で演奏しました。「何秒か吹くと、曲の途中で本当に虫が鳴くような高い音色に変わり、またもとの音色に戻ります。その意外性にとても驚かれました。演奏する曲ごとに専用の笛を使います。童謡などの短い曲ばかりで、演奏しながら動くしかけもあるので、見ても楽しく、反応は日本と変わらない印象でしたね」と神谷さん。「しゃぼん玉」という曲では、演奏中に実際にしゃぼん玉が出る仕組みになっています。

阪神大震災のときには、住んでいたマンションが全壊しました。「途方に暮れましたが、子ども達から『お父さんにはストロー笛があるから大丈夫だね』と言われたんです。『わらにもすがる』ということわざがありますが、ストロー(日本語では「わら」)の楽器で生活を再建するとはことわざ通りでおもしろいなと感じました」。自身が被災した経験と、公演を楽しんでもらいたいという気持ちから、東日本大震災で被災した地域でのコンサートを、無料で引き受ける活動を続けています。

「寄り道をしてきたから得られた、様々な経験や能力を活かしてストロー笛を発展させた気がします。先人がいないので、自分が歩いたところが道になります。孤独でもあり、清々しくもあります。どこへ行って演奏しても、人が笑って楽しんでくれるのが嬉しいですね。これからもお客さんに喜んでもらえる笛の開発とコンサートを続けていきたいです」神谷さんは、晴れやかな笑顔で話します。

神谷徹

文:瓦谷登貴子


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