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ダンボールで作った仏像で日本美術を伝えたい

[2012年7月号掲載記事]

201207-6

© アートフェア東京2011/撮影:岩下宗利

 

本堀雄二さん

捨てられた使用済みのダンボールを素材に、仏像を作るアーティストがいます。兵庫県神戸市に住む本堀雄二さんは、愛知県立芸術大学で彫刻を学び、大学院を卒業後は廃品や建築廃材を使った作品作りを発表していました。「阪神大震災で自宅が全壊して、周囲の被害の状況を見て大きなショックを受けました。それ以来、素材として木材を使うことに抵抗を感じるようになったのです」と本堀さんは話します。

移転した土地では土を使ったり木くずを利用したりと素材探しの日々が続きました。「あるとき、神社の廃材で厨子(仏像を安置する仏具)をイメージした作品を作ったときに、最後に残った部分が、その偶然できた形に仏像の姿を感じました。この出来事がきっかけで、牛乳パックを溶かしたものを石こうの型に流し込んで、一体の仏像を仕上げたのが最初です。その後、使用済みのダンボールを使うことにたどり着きました」と本堀さんは続けます。

160センチの仏像1体に、約1ヵ月半の制作日数がかかります。横側からは、あえて残しているダンボールの色の文字が見え、真正面からはダンボールの断面にある波状の空洞により、背後が透けて見えるのが特徴です。仏像の中央には、コンクリートを流し込む建築材料のボイドを使った輪が入っています。平安時代から仏像のなかに納められているとされる「胎内仏(仏像の胎内に納められている小仏像)」をイメージしています。

「日本に古くからある仏像を見たいと思ってもらえたら嬉しいですね。自分のなかでイメージした仏像を元に作りますが、これ以上つきつめたら形がわからなくなるというぎりぎりのラインを生み出すのが、毎回難しいです。そこがまた楽しみでもありますね」と本堀さん。

今年の3月には日本最大の美術の展示会、アートフェア東京に2回目の出展をしました。縄文土器や古来の仏像と同じスペースで展示され、そのコラボレーションが大きな注目を集めました。「奈良にある聖林寺の十一面観音をモデルにしました。素材がダンボールの現代美術ですが、国宝級の古い美術品と一緒に展示できるのが、この作品の魅力だと再認識しましたね」と本堀さんは話します。5月にはアジア最大の美術の展示会、香港アートフェアにも出展しました。

「作品に手を合わせてくれる人を見ると、仏像を作っているのだからいい加減な作品作りはできないなと思います。遊び心も大事にして、ポップな作品を作り続けたいですね」。本堀さんの作品への挑戦は続きます。

NANZUKA
アートフェア東京

文:瓦谷登貴子


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