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苦難に立ち向かい成長する少年たちの物語

[2013年9月号掲載記事]

201309-6-1

1巻表紙。荒川弘著。
スクウェア・エニックス発行

鋼の錬金術師

架空の国アメストリスを中心に展開する物語で「月刊少年ガンガン」に2001~2010年まで掲載されました。単行本の発行部数が6,100万部を超える人気作品です。最終回が掲載された号は、通常より20%多く発行されましたが、売り切れてしまいました。買いそびれた読者のために、翌々月に再び掲載されるという対応がされました。

主人公エドワード・エルリック(エド)とアルフォンス・エルリック(アル)の兄弟は、錬金術師です。作品の中で、錬金術は高度な理論に基づく技術研究とされています。理論の基礎にあるのは「等価交換」の法則です。これは無から有を作ることはできず、何かを得るには同等の代価を必要とするという原理で、物語の重要なテーマにもなっています。

エドとアルは、錬金術を学ぶ修行の過程でそれを理解していきます。しかし彼らの目的は亡くなった母をよみがえらせることでした。禁じられた人体の再生を行いますが、結果は失敗に終わります。等価交換の法則を超えた錬金術の代償に、エドは左足を、アルは体を丸ごと奪われました。さらにアルの魂を呼び戻して鎧に定着させるため、エドは右腕も失います。

絶望するエドに、アメストリス国軍のマスタングは国家錬金術師への道を勧めます。元の体に戻るには、賢者の石を手に入れて、より深く錬金術の研究をするべきであり、そのためには国家錬金術師に与えられる特権が役に立つというのです。それは同時に、軍に所属することを意味しています。戦争が起これば、人間兵器として戦う義務を課せられます。

覚悟の上で、エドは国家錬金術師になりました。そして失った手足をオートメイル(機械鎧)と呼ばれる義手と義足で補い、「鋼の錬金術師」という称号を得ます。エドとアルの前に、ホムンクルス(人造人間)や、国家錬金術師を襲う男、石を欲する異国の民が現れます。やがて賢者の石の材料は人間の魂であることが判明し、二人は大きな陰謀の渦に巻きこまれていきます。

すべての始まりは、遠い昔クセルクセス王国で偶然にホムンクルスが誕生したことでした。フラスコの中の黒い固まりでしかなかった「それ」は、王国の民を代価にした錬金術によって、体と賢者の石を手に入れました。それから長い時間をかけて、今度はアメストリス国中の魂を代価にした錬金術で、神の力を手に入れようとしていたのです。

計画を阻止しようと、かつての敵や様々な立場の人がエドの仲間になります。戦いの中で犠牲になる者も多く、ついにはエドとホムンクルスの一騎討ちとなります。物語を通して等価交換の法則が貫かれ、エドは何度も苦境に立たされます。大切な友人を失い、自分の過ちに打ちのめされて強くなるのです。少年が成長する過程の痛みを正面から描いた意欲的な作品です。

文:服田恵美子


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