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人と自然の共存を願う少女の物語

[2013年8月号掲載記事]

風の谷のナウシカ

201308-7-1

1巻表紙。宮崎駿著。徳間書店発行。

 

世界的に評価されているアニメ監督、宮崎駿の作品です。アニメ情報誌「アニメージュ」で1982~1994年に掲載されました。1984年には作者自身が監督した同タイトルのアニメ映画が公開され、高い評価を得ました。物語の舞台は遠い未来のユーラシア大陸、発達した産業文明が衰えてしまい「火の七日間」と呼ばれる戦争で崩壊した後の時代です。

主人公ナウシカの名前は、ギリシア神話に登場するスケリア島の王女からきています。平安時代(8~12世紀)の短編物語集「堤中納言物語」に登場する虫愛づる姫君もモデルになっています。王女も、虫愛づる姫君も、花や鳥や虫のような自然と共に生きることを喜ぶ少女として描かれています。ナウシカも少女たちと同じく自然への深い愛を持っています。

ナウシカは王蟲という蟲(腐海に生息する巨大な生物)を特に愛し、彼らの心の声を聞くことができます。そして王蟲の住む死の森、腐海をたびたび訪れます。腐海は王蟲をはじめとする巨大に進化した蟲たちが暮らしているところです。ナウシカが腐海へ行くことを、風の谷の人々はよく思っていません。滅亡した過去の文明に汚染され、有毒ガスを発する菌類に覆われた不毛の大地だからです。

森の中では、人間は防護用マスクなしでは5分で肺が腐ってしまいます。しかし森は徐々に広がり、人間の住む世界をのみこもうとしています。腐海の近くに住む風の谷の住民は、森の毒により年々人口が減っています。ゆっくりと滅んでいくはずだった日々は、巨神兵という「火の七日間」で世界を焼きつくした生物兵器が発見されたことで変わります。

巨神兵を手に入れたトルメキア王国が、土鬼諸候国に攻め込んで戦争が始まります。ナウシカは風の谷の族長としてトルメキア軍に参加。トルメキアの王女クシャナは、自国を勝利に導くため、圧倒的な兵器である巨神兵を再び動かそうとします。敵味方に関わらず、命が失われることを望まないナウシカと、最初は対立します。

やがてはげしさを増す戦いの中で絆が生まれるものの、2人は別々の道を歩まざるを得なくなります。クシャナは土鬼の王と組んで巨神兵を復活させてしまうのです。しかし目覚めた巨神兵はナウシカを母と呼んで慕います。巨神兵を眠らせるため、そして汚染された世界の行き着く先を見定めるため、ナウシカは世界の秘密の鍵を握るシュワの墓所へと向かいます。

ナウシカが知るのは「腐海は汚染の原因ではなく、火の七日間でまき散らされた有害物質を浄化するための存在である。今の人間は腐海の毒に適応しているため、浄化された後の世界では生きていけない」という残酷な真実でした。その後、物語の結末でナウシカが選んだ道を、間違いだと言いきれるのか、自分だったらどうするか、という問いかけを心に残す作品です。

文:服田恵美子


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