Language:
Hiragana Times | Facebook Hiragana Times | Twitter RSS

これはHiragana Timesに掲載した過去の記事ですが、実際のマガジンではパラグラフごとに英語と日本語が交互に掲載され、漢字にはふりがながついています。 マガジンサンプル 定期購読案内へ

聖徳太子を描いた異色の少女まんが

[2013年4月号掲載記事]

201304-7-1

日出処の天子<完全版>1巻表紙
山岸凉子著
メディアファクトリー発行

 

日出処の天子

「日出処の天子」は、聖徳太子が少年時代を経て、摂政(君主に代わって政治を行う人)になるまでを描いた少女まんがです。1980~1984年に「LaLa」(発行:白泉社)に掲載され、1983年には講談社漫画賞少女部門を受賞しました。肖像画がお札に印刷されたりと、偉人のイメージが強い主人公を、超能力を持つ同性愛者という設定で発表し、注目を集めました。たびたび単行本化され、30年以上経った今でも、根強い人気があります。

物語の舞台は日本の飛鳥時代(6~8世紀)。14歳の蘇我毛人は、ある春の日に10歳の厩戸の王子(聖徳太子の本名)が池で水浴びする場面に出あいます。少女と勘違いして恋心を抱くほど、王子の美しさは際だっていました。その後、臣下(家来)として再会した毛人は、王子が教養と才能、政治的な手腕を備えたカリスマ性のある人物だと知ります。

王子と親しくなった毛人は、王子が持つ特殊な力のせいで、不思議な体験をするようになります。そしてこの力を持つために王子が実の母親からも恐れられ、家族のなかで孤立していることにも気づきます。王子の力に戸惑いながらも、毛人は一人の人間として誠実に接します。そして王子は、毛人を身分や性別を超えて愛するようになります。

ある日、王子の父である大王が亡くなります。そのあとのポジションをめぐっての争いに、王子も毛人も巻き込まれていきます。冷徹で天才的な力を発揮する王子に、毛人は恐怖心を感じますが、結局は王子を支えることを選びます。そして争いは大きな戦にまで発展していきます。

戦が終わり、新しい大王が即位して平和な日々が訪れます。しかし影響力を増していく王子に対して、大王はあせりを感じます。そして暗殺を企てますが、降りかかる災難を王子は難なく回避します。嫉妬と企みが渦巻くなか王子は、純粋な心の毛人が、自分にとってかけがえのない存在だと強く意識するようになります。そんななか、毛人がある女性に恋をしていると知って、王子は衝撃を受けます。そして物語はドラマチックに展開していきます。

作者は「聖徳太子ゆかりの仏像の体内から、鎮魂の文字が刻まれた剣が見つかった」という新聞記事を子どもの頃に読み、そこまでして魂をしずめなくてはいけないのは怖いと感じました。この出来事が作品誕生のきっかけになりました。「人から恐れられる人物が、もしも私の隣にいたらと想像して、主人公の性格を考えました」とインタビュー記事(完全版第7巻巻末収録。発行:メディアファクトリー)で語っています。

これは、史実通りに描いた作品ではありませんが、伝えられているエピソードを取り入れているのも特長の一つです。例えば、聖徳太子がこもって思いをめぐらせたといわれている夢殿も登場します。これは今も法隆寺境内に残る国宝です。キャラクターが個性的で、歴史の魅力も味わえるので、少女まんがファン以外の支持も多く集めています。史実と創作がうまくあわさったこの作品は、飛鳥時代を知る手がかりにもなりそうです。

文:瓦谷登貴子


Special Link

  • 東京ビジネスホテル | 新宿へチェックイン。明日へのゆとりを感じるロケーション。
  • Homestay in JAPAN!!
  • Internship in Japan
  • 英会話の先生探すサイト。個人家庭教師・外国人と英語プライベートレッスンは先生ナビドットコム。


PR