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ある殺人事件を巡り食い違う目撃者たちの証言

[2012年12月号掲載記事]

201212-7-1

羅生門 デジタル完全版
DVD発売中 ¥2,940(税込)
発売・販売:角川書店

 

羅生門(監督:黒澤明)

芥川龍之介の短編小説「藪の中」を原作に、黒澤明監督と三船敏郎のコンビで1950年に制作されたモノクロ映画。翌1951年のベネチア国際映画祭で金獅子賞、続く1952年のアカデミー賞で名誉賞を獲得し、黒澤作品あるいは日本映画が世界で認められるきっかけにもなった。

時代は平安時代(8~12世紀)。羅生門と呼ばれる荒れ果てた門の下で、木こりと旅の僧侶が雨宿りをしている。二人は、自分たちが目撃者としてかかわったある殺人事件について、雨宿りに加わった下人(庶民)に話をする。

木こりの話では、まきを取るためにやぶをかきわけ山に入ったところ、武士の死体を発見し、当局に届け出たという。一方、僧侶は、殺人事件の直前に、殺された武士とその妻の姿を目撃したと話す。そして、二人は裁判で交わされた関係者たちの話を始める。

まず、武士を殺した犯人として捕まった泥棒の多襄丸は、武士の妻を襲う目的で夫婦に近づき、武士を木に縛り付けたと告白する。武士を殺すつもりはなかったが、武士の妻から、自分は夫か多襄丸かどちらか生き残った方のものになると言われ、武士を殺したと証言する。だが、武士の妻はいつの間にか姿を消したと、多襄丸は振り返る。

ところが、逃げていた武士の妻が見つかり、多襄丸とは違う話をしたという。妻によると、多襄丸に襲われたが、多襄丸は夫を殺さずに逃げ去ったと話す。ただ、夫の前で見知らぬ男に襲われたため、夫に自分を殺してほしいと頼んだが、そのうちに気を失ってしまい、意識が戻ったときには夫が死んでいたと主張する。

最後に、巫女(霊媒師)に乗り移った武士の霊が「証言」する。多襄丸に襲われて気持ちが変わった妻は、多襄丸と一緒になるため、夫である自分を殺すよう多襄丸に頼んだが、その頼みを聞いた多襄丸は妻に対して怒り出し、驚いた妻は逃げ出したと語る。やがて、多襄丸も自分を置いて去り、自分は短刀で自殺したという。

こうして立場の違う数人の証言を一通り聞いた下人は、誰の証言もいまひとつ信用できないという。僧侶が、人間は誰でも根は良い人と主張するのに対して、下人は、人間は生きていくために悪事を働くと言い切る。そこで、第一発見者である木こりが、実は自分は事件現場で一部始終を目撃したと重い口を開く。

この映画で使われる手法は、1つの出来事を立場の違う数人の登場人物の視点で描き、真相が何なのか、観客を混乱させるというもので、後にアメリカ映画などにも影響を与えたという。また、1964年には、メキシコを舞台に、ポール・ニューマン主演で「暴行」というタイトルでリメイク版が制作された。


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