Language:
Hiragana Times | Facebook Hiragana Times | Twitter RSS

これはHiragana Timesに掲載した過去の記事ですが、実際のマガジンではパラグラフごとに英語と日本語が交互に掲載され、漢字にはふりがながついています。 マガジンサンプル 定期購読案内へ

夫を亡くした女性が立ち直る姿を描く人間ドラマ

[2010年11月号掲載記事]

幻の光(是枝裕和 監督)

[幻の光] 販売元:バンダイビジュアル
© TV MAN UNION,Inc.

夫の死を通して、妻が悲しみから立ち直るまでを描いた宮本輝の同名小説が原作。1995年、是枝裕和監督が劇場用長篇映画デビュー作として映画化。ファッション誌のモデルだった江角マキコが女優に初挑戦した作品。ヴェネチア国際映画祭など、国内外で数々の賞を受けた。

主人公のゆみ子(江角マキコ)は、12歳のとき、自分が引き止められずに祖母が行方不明になったことを悔やんだまま大人になった。郁夫(浅野忠信)と結婚し、勇一を産んでもそれはトラウマになっている。そんなある日、郁夫が何の前ぶれもなく自らの命を絶ってしまう。その理由が分からないまま、ゆみ子は途方に暮れる。

5年後、ゆみ子は、妻に先立たれた民雄(内藤剛志)と再婚する。民雄は日本海に面した能登半島の小さな村に、ひとり娘の友子と年老いた父親(柄本明)とともに住んでいる。厳しい寒さに耐えながら、5人はおだやかな生活を始め、ゆみ子も村の人たちとの付き合いに慣れていく。そして半年後、ゆみ子は弟の結婚式に出るため里帰りする。

そのついでに、ゆみ子はかつて郁夫と住んだアパートに立ち寄る。喫茶店や郁夫の働いていた工場など、思い出の場所を歩くうち、次第に亡き夫への想いがよみがえる。なぜ郁夫は自殺したのか - ゆみ子は再びそのことを考え始める。沈んだ気持ちを抱えたまま、ゆみ子は帰宅する。

民雄はそんなゆみ子の変化に気づく。だが、気持ちの整理がつかないゆみ子は家を出てしまう。呆然と歩き、海岸にたどり着く。そこへ、民雄が来る。「なぜ郁夫が自殺してしまったのか、いまだにわからない」と打ち明けるゆみ子に、民雄はこう答える。「漁師は海に誘われるそうだ。沖の方にきれいな光が見えるんだって。誰にもそんな瞬間があるんじゃないのか」と。やがて春が訪れると、ゆみ子たち家族に笑いが戻り、そこで映画は終わる。

夜の公園、雨に濡れる町、雲におおわれた真冬の村など、全体を通して、ゆみ子の心の闇を表すかのように、画面には光が差さない。台詞も多くはなく、登場人物たちの表情がアップになることも少ない。身近な人の死に直面しても、時の流れに身をまかせながら少しずつ生きる希望を取り戻していく過程が描かれた静かな作品である。


Special Link

  • 東京ビジネスホテル | 新宿へチェックイン。明日へのゆとりを感じるロケーション。
  • Homestay in JAPAN!!
  • Internship in Japan
  • 英会話の先生探すサイト。個人家庭教師・外国人と英語プライベートレッスンは先生ナビドットコム。


PR