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飛行船-文明社会の新たなシンボル

[2010年3月号掲載記事]

日本の景気が好調だった1960年代後半、広告用飛行船の運航が始まりました。「1968年12月のある日、私は大阪府堺市に住む小学五年生でした。授業中に全校生徒が校庭に出されたんです。すると大きな飛行船が飛んできて、校庭の上空を2回、ぐるっと回り、パイロットが窓から手を振ってくれました。とても興奮しました」と、日本飛行船で代表取締役社長を務める渡邊裕之さんは当時を振り返ります。

大学を出た渡邊さんは商船会社に就職しました。そこで飛行船会社を立ち上げる新事業にたずさわり、部長になりました。しかし、日本の景気が悪くなった1990年代半ばになると、渡邊さんの会社は他の企業と同じく、費用のかかる飛行船事業を中止します。

復活のきっかけは2005年の愛知万博でした。環境がテーマの万博に向け、自然環境に負担の少ない飛行船を再び飛ばそうという市民運動が起きたのです。そして当時の経験者が集まり日本飛行船を設立。3年の準備期間をへて、万博で初フライトを成功させ、2007年11月から正式な遊覧飛行を開始しました。

使用するのは飛行船発祥の地、ドイツ生まれのツェッペリンNTです。世界にわずか3隻しかなく、全長はボーイング747ジャンボジェット機より5mほど長い75m。不燃性で自然や人間に害のないヘリウムガスを使っていて安全です。他の2隻はドイツ、アメリカで運航されていますが、都会の空を飛ぶのはここ日本だけです。

これまでに2千人の乗客が空の旅を楽しみました。ゴンドラと呼ばれる船室内は、パイロット2人、乗務員1人、乗客10人が乗れる広さです。高層ビルが間近に、車や電車は模型のように見えます。シートベルト着用サインが消えれば、自由に歩き回って写真を撮ったりできるのも特長です。

離着陸場は埼玉県にあります。県内をめぐる便(5万円/30分)や、東京都心の名所をまわる便(12万6千円~/90分)の他、横浜や鎌倉、京都や奈良などへの季節限定便も運航しています。今年3月には、鹿児島と大阪での遊覧飛行や、大阪から東京への特別運航を予定しています。また、より多くの人に乗ってもらおうと、搭乗できる場所を都内で探し、手頃な料金で乗れる計画を進めています。

同社は企業名や商品名などを船体に描いた広告用としても飛行しています。「宣伝効果はもちろん、その企業で働く人たちの誇りと意欲向上につながるようです」と営業課長の佐藤祐爾さん。また、営業部の仲祐輔さんは「情報通信研究機構の依頼で違法電波調査に使われたり、3年前の能登半島地震では救援活動に無償で運航したりしました」と説明します。

「小学生の頃、生徒たちに飛行船を見せてくれた先生たちは気持ちにゆとりがあったと思います。自然を壊さず、人間に夢を与えてくれる飛行船は、今の時代にこそ必要です。文明社会の新たなシンボルになるでしょう」と渡邊さんは話します。

株式会社日本飛行船


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