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地ビールのおいしさを伝えたい

[2015年2月号掲載記事]

201502-6

箕面ビール 代表取締役
大下香緒里さん

最近、地ビール(クラフトビール)が注目を集めています。自然豊かな大阪府箕面市で誕生して人気なのが「箕面ビール」。代表取締役と工場長を兼任しているのは大下香緒里さんです。「母と妹二人も一緒に働いています。最初にこの仕事を手伝った頃は学生だったので、アルバイト感覚でした」と香緒里さん。その後、ビールづくりのおもしろさに引きこまれます。

箕面ビールは国内の主要な賞を数多く受賞しています。2009年からは、世界のコンクールで6年連続金賞を受賞しました。家族企業の地ビールの快挙は、大きな話題になりました。世界的な評価を得たことが全国的な人気のきっかけです。「スタウト(黒ビール)の本場イギリスで、箕面ビールのスタウトが選ばれるとは予想していなかったので、驚きました。長年のファンも喜んでくれてうれしかったですね」と香緒里さん。

工場の規模が大きくないので生産量は限られていますが、手間を掛けたビールづくりをしています。ビールの製造工程ではろ過や熱処理することが多いのですが、箕面ビールはしていません。「酵母はろ過せずに、そのままびん詰めしています。鮮度が大切なため冷蔵で出荷し、納品先でも冷蔵して販売しています。ビタミンやミネラルが豊富なので、健康や美容にもいいですよ」と香緒里さん。

箕面ビールは1996年、香緒里さんの父、大下正司さんが始めました。創業から18年目になりますが、地ビールブームの浮き沈みを体験し、廃業を考えたこともあったと話します。正司さんは地ビール界を引っ張る存在でしたが、2年前に亡くなりました。

昨年、同業者の発案で正司さんを追悼するビールが発売されました。今年も三回忌に合わせて、正司さんをイメージしたビールが各社でつくられました。箕面ビールもGOD FATHER3を販売しました。「元気で働き者だった父は、皆からとても愛されていました。今でもビールを通して思い出してもらえるのはうれしいですね」。

工場兼本社の1階には、有料のテイスティングバーがあります。近所の人が散歩の途中に立ち寄る、気軽な場所になっています。評判を聞いた海外からの旅行客が訪れることもあります。「できたてを飲んでもらいたいと、創業時から続けています。定休日以外は毎日開けていますが、満席になってにぎわうこともありますよ」と香緒里さん。

2004年からは大阪市内に直営のパブを経営しています。「箕面ビールは、毎日気軽に楽しんでもらえるビールを目指しています。ビールと料理の相性を考えると、楽しさが広がりますよ」と香緒里さん。イギリスのパブのように、樽の中で熟成された「リアルエール」をハンドポンプで注いで提供しています。

2ヵ月に1度、新商品の開発も行っています。「ビールの種類は豊富で、約120種類あります。冷やしすぎない方がおいしく飲めるものもあります。箕面産のゆず入りのビールは、オレンジピールを使った海外のビールをヒントに考えました。様々なビールのおいしさを、広めていきたいですね」。香緒里さんの挑戦はこれからも続きます。

株式会社箕面ビール

文:瓦谷登貴子


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