Language:
Hiragana Times | Facebook Hiragana Times | Twitter RSS

これはHiragana Timesに掲載した過去の記事ですが、実際のマガジンではパラグラフごとに英語と日本語が交互に掲載され、漢字にはふりがながついています。 マガジンサンプル 定期購読案内へ

紙のように薄い老眼鏡

[2014年10月号掲載記事]

201410-4

株式会社西村プレシジョン

ペーパーグラスは、名前の通り紙のように薄い老眼鏡です。たたむと平らになり、厚さは約2ミリになります。開くとレンズは手元の文字が読みやすいように斜め下に傾きます。そして耳にかけるつるの部分は内側にゆるやかに曲がり側頭部にフィットします。携帯性とデザイン性にすぐれたこの老眼鏡は2012年に誕生し、2013年にはグッドデザイン賞特別賞を受賞しました。

販売元の株式会社西村プレシジョンの広報担当、齊藤力仁さんは「それまでは2~3ヵ月かけて1ロット100本前後生産していたのですが、受賞後は月に6,000本です」とうれしい悲鳴を上げています。待ち望んでいた人が多かったことがわかります。

ペーパーグラスを作っているのは福井県鯖江市にある株式会社西村金属です。鯖江市はめがね製造の国内シェア90%、世界でも20%を担う土地です。西村金属もかつてはめがねのネジや丁番を作っていました。しかし90年代に入ると仕事が中国に流れるようになります。そこで、部品作りで培ってきた技術を生かし、めがね以外の金属加工請け負い業も始めました。

2000年代に入ると、携帯性とデザイン性に優れた丈夫な老眼鏡ができないかという難しい依頼が舞い込みます。試行錯誤の末、丁番をフレームに対して斜めに取り付けるという方法が編み出されました。要求をすべて満たした上、この角度で丁番を取り付けることで、めがねをかけると自然にレンズが斜め下を向くようになります。文字を読むのにちょうどよく、また遠くの物はレンズを通さずに見えます。いちいちかけたり外したりしないですむのです。この技術では特許も取りました。

西村金属ではめがねすべてを自社で作ったことはありませんでした。めがね作りの基本的なノウハウは、鯖江市内の他業者から教えてもらい初めての自社ブランドを作り上げたのです。新しい販路を開拓するために自社ホームページで販売することになりました。

ネット販売の強みは利用者の声がダイレクトに届くことです。その声を参考にマイナーチェンジすることもあります。例えば、フレームの幅です。ペーパーグラスは全種男女兼用サイズで設計されましたが、女性客から「横幅が広くてずり落ちてしまう」と言われたのです。その声を受け、女性の顔にもフィットするように設計しなおしました。

「特に年配の女性からは『やっと外でかけられる老眼鏡ができた』と言われることがあります。これまでは人前で老眼鏡をかけるのがいやで外出すること自体がいやになっていたという方もいます」と齊藤さんは話します。

ただ見えればいいということであれば、100円ショップでも売っています。ペーパーグラスは左右で度数の違うレンズを入れることができたり、修理は基本的に無料などサービスも充実しています。何よりも、これまでの老眼鏡のイメージを覆しました。

ペーパーグラス

文:市村雅代


Special Link

  • 東京ビジネスホテル | 新宿へチェックイン。明日へのゆとりを感じるロケーション。
  • Homestay in JAPAN!!
  • Internship in Japan
  • 英会話の先生探すサイト。個人家庭教師・外国人と英語プライベートレッスンは先生ナビドットコム。


PR