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間伐材を使った杉のわりばし

[2014年6月号掲載記事]

201406-7

Yoshiishoji

カウンター越しに差し出された丼を受け取り、前歯でくわえたわりばしを空いた方の手でさいて勢いよく麺をすする。そばやうどんの立ち食い店でおなじみのそんな光景はやがて見られなくなるかもしれません。カウンターに置かれた箸入れからわりばしが少しずつ姿を消し始めているからです。

その代わりに増えてきたのがプラスチックばしや塗りばしです。最近は、ファミリーレストランや居酒屋でもわりばしを見かけなくなりました。わりばしが減ってきた理由は2つあります。一つ目は、材料となる木を切ることは森林破壊につながるという考え方があること。二つ目は、わりばしは使い捨てだからもったいないという見方が広まってきたことです。

わりばしが悪者であるかのようなとらえ方に対して、はしの卸売業を営む吉井商事(奈良県)社長、吉井照雄さんは「国産のわりばしを使うことは環境を守ることにもつながります」と話します。同社のある吉野地方は吉野杉の産地で、わりばし誕生の地といわれています。もともとは吉野杉で酒樽を作るときに出た切れ端を利用したのが始まりです。

今日では、混みすぎた林の立ち木を抜き切りする「間伐材」や建築材の柱を作るときにできる「端材」を有効活用しています。使える木を無駄使いしているわけではありません。つまり、吉野地方のわりばし作りは森林破壊とは無関係です。「間伐は残された周りの木の成長を助ける効果があります。ですから、間伐材を使うはし作りは緑の資源を守り育てる意味があるのです」と吉井さんは訴えます。

吉井さんは「はしの材料となる杉や桧は植えてから20年の間に非常にたくさんのCO2を吸収します。つまり、人がじっくりと育てた山林の木々は私たちの暮らす環境を保つのにも大きな役割を果たしているのです。一膳のわりばしを使えば、CO2を年間16グラム減らすことができるという試算もあります」とわりばしを使うメリットを紹介します。

使い捨てだからもったいないという意見に対して、吉井さんは話します「プラスチックばしや塗りばしは繰り返し使えるので確かに便利です。しかし、洗うための水や洗剤などにはお金がかかります。わりばし一膳の値段よりも全体のコストを考えることが大切です。洗ったときの排水が環境に及ぼす影響も考えるべきでしょう」。

わりばしは他の産地でも作られていますが、大部分は機械化されています。それに対し、吉野のほとんどの業者は今でも手作業で作り続けています。吉井さんは「はしは食事をするための単なる道具ではなく、その使い方を通して古い作法や伝統を伝える役目もあります。そのためには独特の香りと手ざわり、口当たりのある杉ばしが一番です」とその良さを強調します。

吉井商事

文:伊藤公一


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