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100年使ってもらえる木のおもちゃ作りへかける思い

[2013年9月号掲載記事]

201309-5

株式会社北樹

1989年、菅義則さんは株式会社北樹を地元の北海道北見市で立ち上げました。当時はバブル後期で、世間では大きなお金が動いていました。北樹で専門に扱っていたのは木を使ったスタジオやステレオなどの音響用設備です。そんな中で、木のよさを子どもたちに伝える活動を行っている人がいました。伊藤英二さんです。

伊藤さんは菅さんの中学時代の先生でもありましたが、自分の工房を造り子どもたちを集めて、木にふれる機会を設けていました。菅さんの子どもたちも工房に通っていました。当時菅さんは「木のおもちゃでは事業が成り立たないと考えていました」と言います。しかし、子どもが木に接する機会を増やそうとする伊藤さんの真剣な姿勢を見て、菅さん自身も応援したいと思うようになります。

そして「この人を世間にもっと知ってもらいたい」と会社としてのバックアップを始めます。北樹のサポートで大型の遊具を作ることが可能になり、伊藤さんの活動は広がりました。全国でイベントを開催するようになります。

この時期はバブルがはじけ、北樹にとっての転換期でもありましたが、イベントを通じ北樹の木のおもちゃが知られるようになり、時代を乗り切ることができました。当時からの人気商品は「木の砂場」。木枠で囲まれたスペースに、「きっころ」と名付けられた直径約3センチの木の玉をぎっしり詰めたものです。2013年3月現在では全国の保育園など121ヵ所に設置されています。

手作業で仕上げられたきっころはひとつずつ形や大きさが異なり、すべすべと心地よい肌ざわり。この上に寝転ぶと体を包み込まれるような安定感と安心感があります。この感覚が気に入り、きっころをしき詰めたベッドを特注した人もいます。

北樹で作られているおもちゃのほとんどは広葉樹の木で作られています。針葉樹のほうがやわらかく加工も簡単なのですが、その分使用しているうちに木がささくれたり割れたりすることが多く、子どものおもちゃにはふさわしくないことがわかったからです。広葉樹は通常、使用できる太さに成長するまで100~200年かかります。でも、その分、100年使ってもらえるおもちゃを作る。それが菅さんの抱き続けているおもちゃへの思いです。

地元の基幹産業でもあるので木材は北海道産にこだわっていますが、その分料金は高くなります。大型遊具の価格を見て「高級外国車並みの料金だね!」と驚かれることもあります。それでも、安いからと海外の材料に頼ることに菅さんは抵抗を感じています。かつて地元で盛んだった林業や木工も現在では携わる人が減りつつあり、技術が途絶えてしまうことを心配しているからです。だからこそ地元の資源で事業を継続し、雇用を安定させてきたのです。

近年、菅さんは広葉樹が生えている山を購入しました。その山の木で商品を作る日が来るのを楽しみにしています。「社会に出て46年。ずっと木を扱ってきて、地元で生活することができました。地場産業も発展させることができて満足しています」とこれまでを振り返ります。伊藤さんは昨年亡くなりましたが、木に向き合う姿勢は今も菅さんの中で生き続けています。

株式会社北樹

文:市村雅代


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