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雨粒をはじいてぬれないかさ、ヌレンザ

[2013年7月号掲載記事]

201307-2

本州の日本海側に面している北陸地方には昔から「お弁当は忘れても、かさを忘れてはいけない」という言い伝えがあります。北陸地方は天気が変わりやすく、いままで晴れていたと思ったら、急に雨が降り出すことが珍しくありません。ですから、北陸地方を旅するときには、いつでもかさの準備をしておくことが大切だという意味です。

このような理由で、北陸地方の福井県にはかつて、かさを作る会社がたくさん集まっていました。かさは骨組みや布地、持ち手など、別々の会社で作られた部品が組み合わされることで完成します。福井の代表的なメーカーである株式会社福井洋傘では、それらの部品を集めて、布地の検査、切断、縫製、組立、仕上げ、最終検査などを行い、製品化しています。

ところが、海外から安いかさがどんどん入ってくるようになったため、地元の会社は次第に減り、福井洋傘だけになりました。社長の橋本肇さんは「うちがなくなれば福井県からかさの産業が消えてしまうので、使う人が求めているかさを作ろうと考えました」と話します。そのなかで、橋本さんは2つの商品を開発しました。「ぬれないかさ」と「忘れにくいかさ」です。

ぬれないかさは、たたんだときや体にふれたときに、決してぬれないことを目指したものです。このため、かさの材料の大部分を占める布地には、地元の繊維会社と共同開発した「超高密度ポリエステル糸」という特別の素材を使い特別な織り方をすることで、ハスの葉が水をはじくように雨粒をはじきます。

ですから、かさに雨粒がついても一振りで水分は飛び散り、たちまち乾いた状態に戻すことができます。このかさは「ぬれない」という意味を込めて「ヌレンザ」と名づけられました。ヌレンザは1本30,450円と、かさとしてはとても高価です。しかし、注文してから手元に届くまでに2~3ヵ月待たなければならないほど人気があります。

「忘れにくいかさ」は、かさが電車の中や街中などでよく忘れられることからヒントを得ました。橋本さんは「かさが忘れられるのは、持ち手の形に問題がある」と考えました。そこで、持ち手をつかむのではなく、ループ状にした牛革ベルトにし、手になじむように形を変えました。この持ち手は腕に引っ掛けるようにするので、なくしにくいのがメリットです。

この持ち手はなくしにくいばかりでなく、体が不自由な人や高齢者など、物を握る力が弱い人でも楽に使えるのが特徴。一種のユニバーサルデザインにもなっています。この持ち手を使ったかさが広まることを願う橋本さんは「持つことが一番大変な人にやさしい製品は必ず普及するはずです」と話します。もちろん、ヌレンザにも使われています。

株式会社福井洋傘

文:伊藤公一


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