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変わりつつある外国人社長

[2013年6月号掲載記事]

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税金や制度が起業には向いていない、という人もいる日本ですが、それでも日本で起業する外国人はいます。これまでは、日本の企業が外国人を雇いたがらないため、しかたなく自分で翻訳業や自国料理のレストランを始める、というケースが一般的でした。しかし最近は、別のタイプの外国人社長も増えてきています。

「日本人はとても趣味に熱心です。会社員がアフター5に英語を習いに行く、音楽の教室へ行く。習うことがこんなに好きな人たちに、ギターを教えたいと思いました」。そう話すのは、アメリカ人のマイケル・カプランさんです。カプランさんは苦労してアメリカン・ギター・アカデミーというギター教室を東京都文京区に開きました。

カプランさんは大学でギターを専攻し、修士号を取ったギター教育の専門家です。ずっとアメリカでギターを教えていました。しかし2006年に旅行で日本へ来て、日本が好きになりました。「美しくて清潔でいいなと思って、2008年にまた来ました。日本は豊かで、芸術を愛する人がたくさんいますね。美術館へ行く人は多いですし、ジャズクラブもたくさんあります。ジャズは私の心に満ちている音楽ですから、このジャズ人口の多さは印象的でした」。

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アメリカン・ギター・アカデミー
マイケル・カプランさん

 

カプランさんは日本でギターを教えたいと思い、実現させる方法を調べました。そして外国人が日本に住むのはとても大変で、起業はさらに大変なことを知りました。在留資格は取りにくく、起業するにはオフィスを用意しなければなりませんが、日本の大家は外国人に貸したがりません。「電話と郵便受けしかない小さな部屋を名ばかりのオフィスにするよう勧める人もいました。でも私は日本人の友達に手伝ってもらい、大家さんを説得してオフィスを借りました」。

カプランさんは2011年2月、開校の準備で来日しました。一ヵ月後に起きた東日本大震災で大きなダメージを受けましたが、カプランさんは「夢はあきらめなければかなうんですよ。困難があったら、やり方を変えてまたトライすればいいんです」と笑います。英語でギターを教えるという方針が好評で、今では生徒も約80人に増え、教師も新たに増やしました。「ここを日本でいちばん認められたギター学校にすることが次の夢ですね」。

カナダ人のアラン・ブレトンさんは、母国でアプリの会社、ラングテックを起こし、日本で開発を行っています。東日本大震災がビジネスのきっかけになりました。「それまで英語の教師をしていたんですが、震災後、仕事がぐっと減りました。時間はたくさんありますし、生活のためにはお金が必要です」。

ブレトンさんは2004年に、いろいろな国を旅していて日本へやって来ました。「4月でした。東京は桜に満ち、人々は幸せそうに花見をしていて、それを見て日本と恋に落ちたんです」と笑うブレトンさん。「たまたま最高の季節に来合わせたんだ、と後でわかりましたけど、日本が大好きな気持ちは今も変わりません」。

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アラン・ブレトンさん/アプリLEXI

 

ブレトンさんは再来日して英語教師になり、同時に日本語学校にも通い始めました。そして今のビジネスのアイディアを得ました。「クラスには中国人や韓国人の学 生がおおぜいいました。彼らの上達が、とても早かったんです」。

英語、フランス語、スペイン語を話せるブレトンさんは、この日本語学校での経験や自分の育ってきた環境を考え、言語の習得には単語力が重要という結論に達しました。「中国人や韓国人が私より早く話せるようになったのは、中国語、韓国語には日本語と似た単語が多いからです。ですから、ネイティブスピーカーが読み上げる物の名前を聞いて、その物の写真にすばやくふれるという教育アプリLEXIを開発しました。カラフルな絵が記憶の助けになるし、ゲーム感覚で単語が覚えられるのです」。

すると利用者から「子ども向けのアプリをつくってほしい」というメールが来ました。「移民の子どもや学習障がいのある子どもは、iPadやiPhoneなら使いたがるので、あきずに学べるというのです。それで英語教師をやめて起業しました」。外国人が、語学教師にならずに日本で暮らすのは難しいとブレトンさんは嘆きます。「英語教師の生活は変化がないので、もっと変わり続けたい、成長したいと思っていました。起業して人生が多様になり、とても幸せです」。

日本人と共同で起業する人もいます。インドネシア人のアリアワンさんはインドネシアで大学に通い、大企業に就職しましたが、6ヵ月で退職。友人3人と一緒にITの会社をつくりました。「その企業では非効率的なやり方で仕事を管理していました。だから便利なソフトウェアをつくって勧めました。そうしたら『独立しなさい。このソフトウェアを買い取りますから』と言われたのです」。

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アリアワンさん/MONOCOのサイト

 

やがてアリアワンさんは外国でもっと勉強したいと思うようになりました。そこで会社を売って来日しました。そして大学院を出て日本で働いていたとき、日本人の柿山丈博さんと知り合い、2010年5月、共同でフラッタースケープ株式会社を設立しました。

「会社の設立は柿山さんがやってくれました」とアリアワンさん。「MONOCOという会員制のショッピングサイトを運営する会社で、個性的な雑貨を売っています。私の担当はサイトの技術面です」。大変な時期もありましたが、今は売り上げが1年で20%伸びて、さまざまな国籍の社員が9人います。

「社内では主に英語で話しています。今は日本に本社がありますが、もしかしたら税金面などで有利な国へ移るかもしれません。私自身も、いずれはインドネシアで起業してもいいと思っています。今、経済成長が著しいですから」とアリアワンさん。日本でも、人やビジネスが国境を越えて動く時代が来たようです。

アメリカン・ギター・アカデミー
ラングテック
MONOCO

文:砂崎良


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