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和食を支えるかつお節の新たな活路

[2015年3月号掲載記事]

201503-4

株式会社にんべん

味噌汁をはじめとする和食の味のベースとなっているのが「だし」です。味を付けるのではなく、味に深みを持たせるために使われます。魚を干して発酵させたもの、海藻を干したものなど種類は様々です。一般的に使われているだしの一つが、煮たかつおを乾燥し発酵させたかつお節です。株式会社にんべんはそのかつお節を1699年から販売しています。

かつて日本の家庭では、料理をする際にだしを取ることから始めました。お湯にかつお節などの素材を入れ、うまみが出たらお湯から取り出し、だし汁(だしともいう)を作るのです。近年では手間を省くため、お湯に溶かして使う粉末のだしやだし入りの味噌が発売されています。

にんべんは、かつお節そのものより関連商品を多く販売しています。「各商品のベースになるものはかつお節ですが、現在は「つゆの素」などの液体調味料が全体の6割を占めています」と経営企画部の遠藤治彦さんは言います。

そうした世の流れの中で、にんべんは2010年、COREDO室町1の日本橋本店(東京)に「日本橋だし場」をオープンしました。削りたてのかつお節で取っただしの香りとうまみを体験してもらうことが狙いでした。「オープン前は、テイクアウトできる汁物と削りたてのかつお節を振りかけた『かつぶしめし』のランチメニューをメインと考えていました」と遠藤さんは話します。

ところが実際には一番人気の商品はかつお節の香りとうまみをシンプルに味わえる「かつお節だし」でした。多いときで一日1,800杯売れたこともあるほどです。今年1月には累計で55万杯に達しました。このような人気を受け、昨年は羽田空港国際線ターミナルに2号店もオープンしています。和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたこともあり、日本橋だし場への注目度は以前よりもあがっていると遠藤さんは感じています。

遠藤さんは「かつお節だしを飲むと気分がリラックスできるようです」と話します。だしそのものを飲むというのは一般的ではありませんが「胃にもやさしいのでコーヒーなどの代わりにもおすすめです」と言います。日本橋だし場には、砂糖とミルクが並ぶコーヒースタンドのように味付け用に塩としょうゆが並んでいます。

これまでかつお節といえば和食だと多くの人が思っていました。しかし「洋風、中華にも使えます」と遠藤さんは言います。また、かつお節は高たんぱくで体にやさしい食品としても注目されています。食生活の変化に伴って、かつお節を使う機会は広がるようです。

株式会社にんべん

文:市村雅代


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