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[2015年7月号掲載記事]
201507-8
ブラッド・マッカイバーさん
北海道小樽市にある小樽運河は、古い倉庫群が見どころの日本でも人気の観光地です。その町並みを水面から楽しめるクルーズ船のキャプテンとして働くのがニュージーランド人のブラッド・マッカイバーさんです。景色や建物の歴史を日本語で案内しているのが外国人と知り、多くの観光客が驚きます。
ブラッドさんが日本語に出会ったのは高校生のときでした。「マオリ語はニュージーランドでしか使えないし、フランス語は先生がきらいだったんです」という理由で、消去法で残った日本語を選択することにしました。「英語と全然違うところがいいと思いました。成績も結構よかったんですよ」。
高校を卒業した後、千葉県の高校に11カ月間留学しました。「高校で4年間日本語と日本の文化を勉強したのですが、最初は話しているスピードについていけず、全く聞き取れませんでした」。ホストファミリーがゆっくり話してくれたことで少しずつ日本語に慣れていったと話します。家族はスキーが好きで、ブラッドさんも何度か連れて行ってもらいました。このことが後の日本滞在に大きな影響を与えます。
留学後ニュージーランドの大学で地質学と日本語を専攻し、卒業後はJETプログラムに合格。埼玉県越谷市役所で働くことになります。国際交流に関する仕事を担当しましたが、同時に市役所のスキー部にも所属し、仲間とスキーを楽しむようになります。3年務め一旦帰国しますが、日本でスキーをしたい、と北海道のキロロリゾートでの仕事を見つけました。
キロロリゾートはスキー場で知られており、夏よりも冬が忙しいリゾート地です。勤め始めて数年した頃、お客の減る夏の間だけ、隣の小樽市で運河クルーズのガイドスタッフとして働いてみないか、と声をかけられます。
しかし、ガイドの内容はアウトドアではなく主に歴史に関することです。「最初は覚えるのが大変でした。最初の2カ月ほどはできるところまでガイドをし、残りは先輩キャプテンに交代、ということを繰り返し、少しずつ一人で案内できる距離をのばしていきました。4年目になる現在では、天候や雪景色などに合わせて紹介する内容を変えられるほどです。
ガイドとしてベテランになってきたブラッドさんですが、日本語のイントネーションが英語寄りになってしまうのをなおしたいと思っています。しかしその一方で「日本語が完璧になったら英語のイントネーションが変になりそうで。最近英語を話していないので、たまに話すと違和感があるんです」と笑います。
小樽運河クルーズ
文:市村雅代

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