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[2015年7月号掲載記事]
201507-7
エプソン
家庭用プリンターで知られるセイコーエプソン株式会社(長野県諏訪市)は1985年に誕生しました。最初は有限会社大和工業と呼ばれていました。セイコーの腕時計の部品を製造する協力工場として1942年に生まれました。最初の工場は味噌蔵を改築したもので、従業員数は9名でした。
社名にもなっているエプソン(EPSON)というブランドは、1969年に発売した小型軽量デジタルプリンター「EP(Electric Printer)-101」にちなんで名付けられました。この製品は1964年の東京オリンピックで使われた「プリンティングタイマー」という装置が発展したものです。この大会で、セイコーグループは公式に記録をとる仕事を任されていました。
EP-101はプリンターの重量を既存の4分の1にまで一気に小型軽量化した画期的なものでした。電卓の印字装置として採用され、一時期、電卓の世界シェア90%を超えるほど大ヒットしました。EP-101の成功によって、セイコーエプソンはプリンターメーカーの道を歩み始めます。
ブランドのEPSONには「この製品(EP)の子ども(Son)のような製品を世に送り出したい」という願いを込めています。今年で40周年を迎えます。現在は会社のルーツである腕時計やプリンターばかりでなく、プロジェクターやセンサー機器、半導体、水晶振動子、産業用ロボット・装置など、さまざまな「子どもたち」が育っています。
セイコーエプソンの特徴は腕時計やプリンターなどで長年培ってきた「省・小・精の技術」です。また、新しいものに果敢に取り組むという「創造と挑戦」の社風があり、これらから世界初の技術や製品がたくさん生まれています。
例えば1969年には、世界初のクオーツ腕時計「セイコー クオーツアストロン35SQ」を商品化。当時の機械式腕時計は進んだり遅れたりする誤差が一日20秒ほどありました。この製品はその差をわずか0.2秒の精度まで高めたのです。この製品で時計の世界が大きく変わりました。
1994年には、カラーインクジェットプリンターの初代機「MJ-700V2C」を発売。10万円を切る価格と写真並みの高画質が評判となりました。今日、インクジェットプリンターの活用範囲は広告用ポスター、商品ラベル、布地への印刷、電子部品製造といった商業・産業分野にまで広がっています。
セイコーエプソン株式会社
文:伊藤公一

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