Pocket

[2015年6月号掲載記事]

201506-3
ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」
-Petite Étrangère- © T・P/MSM2014

 
2.5次元ミュージカル
2015年3月、東京・渋谷にアイア2.5シアタートーキョーがオープンしました。ここは、まんがやアニメ、ゲームを原作としていて、原作の雰囲気やキャラクターを忠実に再現する「2.5次元ミュージカル」を専門に上演する世界初の劇場です。
2.5次元の舞台芸術は近年日本で上演が増えていて、観客の数も増加しています。2013年には約160万人以上の人が観劇しました。2014年には日本2.5次元ミュージカル協会が設立され、各公演情報を一括して国内外に発信するなどの活動を始めました。専用劇場のオープンもこの協会によるものです。
協会の公式サイトには英語のページもあり、海外からもチケットを買うことができます。また、劇場にはウェアラブル端末による字幕システムが用意されています。公演によって字幕言語は変わりますが最大4ヵ国語が設定でき、観客はその中から選ぶことができます。
「人気のミュージカル『美少女戦士セーラームーン』を公演した際、すでに2~3割のお客様が外国の方でした。専用劇場のオープンにより、もっと多くの外国の方に舞台を見ていただきたいと思い、字幕システムの導入を進めました」と協会の広報を担当する遠田尚美さんは言います。「ウェアラブルなので役者から目を離さずに字幕をお読みいただけます」。
日本では1974年に「ベルサイユのばら」がミュージカル化されるなど、まんがやアニメを原作とした舞台芸術は以前からありました。「まんがやアニメを原作とした舞台芸術の歴史は意外と古いのです。でも、このジャンルの舞台芸術が認知され始めたのは2003年に上演されたミュージカル『テニスの王子様』といえます」と遠田さん。
この作品は原作の雰囲気を巧みに表現してまんがファンに歓迎されました。球の動きをスポットライトで表現するなどの演出は演劇ファンにも好評でした。「まんがの世界を舞台上に表現するための『変換』がうまくいった良い例でした」と遠田さん。国内外においてまんがやアニメに対する評価が上がったこともあり、原作らしさを追求した作品が増えました。そして「2.5次元」という呼び方が生まれました。
「役者は原作のキャラクターをまねするというよりも、そのキャラクターの持つイメージを損なうことなく演じ、演出家も原作の世界観を舞台上に再現します。だからこそ観客は想像力を刺激され、欠けている部分を空想で補って原作そのもののシーンを舞台上に見るのです」と遠田さん。2.5次元ミュージカルは、「ライブ・スペクタクル NARUTO -ナルト-」がマカオ、マレーシア、シンガポールでも上演されるなど、今後は積極的な海外進出も予定されています。
一般社団法人日本2.5次元ミュージカル協会
文:砂崎良

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です