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[2015年1月号掲載記事]
201501-3
東京発・伝統WA感動
2008年から東京都と東京都歴史文化財団が東京文化発信プロジェクトの一環として行っているのが「東京発・伝統WA感動」というプロジェクトです。東京にある数多くの伝統芸能を次世代に伝えることが目的です。
今年は伝統芸能公演、キッズ伝統芸能体験、東京大茶会2014の3つの事業が実施されました。プログラムの具体的な内容は、親しみやすく、伝統芸能の入口となるものを意識して決められます。例えば、伝統芸能公演では「日本の笑い―古典と現代」が催されました。狂言師とお笑い芸人が共演し、昔の笑いと現代の笑いの異なる点、似ている点を探るというものです。
キッズ伝統芸能体験では稽古プログラムを実施しています。子どもたちは、能、日本舞踊、尺八、三味線などから自分の好きなコースを選び、一流の芸術家から直接指導を受けます。最後には発表会もあります。「伝統芸能に入門するのは敷居が高いと思うかもしれません。でもこのプログラムなら気軽に、また、7ヵ月間で集中的に稽古することができます」と東京文化発信プロジェクト室広報調整担当課長の森隆一郎さんは話します。これまでに約1,800人の子どもたちがこのプログラムに参加しましした。
これらのプログラムを通じて日本の文化は世界でも珍しい貴重なものであることを感じてもらいたいと森さんは言います。「能は600年間途絶えることなく口頭で技術を教え、振り写しで演じ続けられてきました。現存するものでは世界で一番古い芸能で、ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。そうした日本の伝統芸能にふれることで日本の文化を尊敬する気持ちが生まれるのではないでしょうか」。
森さんは日本の伝統芸能の特徴は、一般人の生活と地続きであることだと言います。「日本ではいなかに能の舞台があったり、農村で歌舞伎を行っていたりしますよね」。長唄や小唄、三味線なども江戸時代には町人に人気の稽古事でした。夏に日本各地で行われる盆踊りも伝統芸能の一つです。
6年後に予定されている東京オリンピックは、東京の伝統芸能を発信する絶好の機会です。「オリンピックでは開催地で文化や教育のプログラムを実施することが決められています。内容はこれからですが、伝統芸能は気軽に参加できるものも多いです。海外から来た方も町の盆踊りにちょっと参加してみるなど、プロが演じるものを鑑賞するだけでなく、ぜひ体験してほしいですね」。

文:市村雅代

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