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[2014年10月号掲載記事]
201410-2
天空芸者ナイト
東京都青梅市にある御岳山は古来より関東で一番の霊場として崇められてきました。山頂には武蔵御嶽神社があります。江戸時代中頃(17~18世紀)から関東の人々に農耕の神として参拝されてきました。ここで豊作祈願の御札をいただくことは御嶽詣と呼ばれ、盛んに行われていたのです。
その名残で、山頂付近には宿坊(神社にお参りする人のための宿泊施設)が集まっています。今でもここに泊まり、山で採れた季節の食材や自家栽培の野菜を中心に、古くから続く素朴な料理を味わうことができます。「料理はおいしかったし、すごく静かでゆっくりできてよかった」という声が多く寄せられます。
御岳山へは東京駅から電車とバス、ケーブルカーを乗り継ぎ、徒歩を含め約3時間です。標高929メートルで、子どもから年配の人まで気軽に登ることができる山として親しまれています。野鳥や昆虫、植物の宝庫でもあります。森林浴を楽しみ、神社に参拝し、宿坊でのんびりする――御岳山は都内にあるオアシスです。
現在、山頂付近で、毎月一回「天空芸者ナイト」というイベントが行われています。英語の説明はほとんどありませんが、外国人も楽しめる構成になっています。二部に分かれており、第一部は武蔵御嶽神社前広場の特設ステージで、芸者による踊りと演奏が行われます。第二部は宿坊の座敷に移動し、お酒を飲みながら芸者とお座敷遊びをしたり、音楽や踊りを楽しんだりすることができ
ます。
第一部の申し込みは不要です。通常100~200人が参加します。前の晩は宿坊で過ごしたスペイン人のアントニオ・ゲレロさんは、「この山は静かで素晴らしいです。芸者の踊りを間近で見られて楽しかったです」と興奮気味に話します。
第二部は50人限定で予約が必要です。じゃんけんをアレンジしたお座敷遊びの「おまわりさん」や「とらけん」で盛り上がります。日本で英語教師をしているアメリカ人のマギー・ロビーさんは、「ブログで見つけて参加しました。とても楽しかったので、近いうちにまた来たいです」と満足そうに話します。友達のブリジット・ウィニー・ウィルソンさんも「本当に楽しかったです。宿坊は初めてなので今晩泊まるのが楽しみです」と言います。
このイベントを主催する御岳山商店組合、副組合長の馬場喜彦さんは、「こういったイベントを通じて、外国のお客様に魅力的な御岳山の文化をアピールしたいです」と意気込みます。今年12月まで行われます。料金は無料。
天空芸者ナイト
文:河野有

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