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[2014年8月号掲載記事]

201408-1-1
アーツ千代田 3331

日本では、人口の減少とともにたくさんの学校が統合されたり閉校・廃校になったりしています。お笑いで知られる吉本興業は2008年に東京本部を移しましたが、その先は東京都新宿区にある廃校でした。教室の机や椅子の一部はそのまま使われています。このように廃校はさまざまな形で再活用されています。
アーツ千代田 3331 (東京都千代田区)は中学校だった建物を利用したアートセンターです。ギャラリーやカフェなどがあり、展覧会や講演会といった文化的活動の拠点として利用されています。お昼時には近くに勤める人たちやベビーカーを押す母親たちで賑わいます。夕方にはここで宿題をする子どもたちの姿も見られます。
「体育館や屋上空間をバザーや音楽祭の会場として活用したイベントなどは来館者に好評でした。屋上にはオーガニック菜園もあります。アートに興味のある人だけでなく、誰でも気軽に利用できるのが特徴です」と、広報担当の玉置真さんは言います。今後も海外のアーティストを定期的に招くプログラムを予定しています。
201408-1-2
さる小

2008年に廃校となった群馬県みなかみ町の猿ヶ京小学校は、2012年に宿泊施設「泊まれる小学校 さる小」として生まれ変わりました。周囲に豊富な自然があり、プールやグラウンド、調理実習室が自由に使用できます。学生のスポーツ合宿や社会人の研修だけでなく、レジャー目的で宿泊する人も多いです。
「他の廃校利用では旅館や民宿に改築しているところが多くあります。でもさる小は学校をそのまま残した宿泊施設にしたかったのです。この考えを消防や土木局、保健所等に理解してもらうのに苦労しました」とさる小の「校長」である飯島健治さんは話します。町から一切の補助金を受けず、自己資金での運営に挑戦しています。
グループでさる小を利用した伊藤雅晃さんは、「鬼ごっこ、大縄跳び、キャッチボール、肝試しなどの懐かしい遊びが楽しめました。教室でお酒を飲んだり廊下を走りまわったりするのも新鮮でした」と笑います。1日1グループの貸し切りなので、思いきり騒ぐことができるのもこの施設の魅力です。
廃校は工夫次第で利用方法が広がります。病院や図書館、福祉施設、映画のロケ地として使用されるケースもあります。学校は頑丈にできています。施設を取り壊せば費用がかかりますが、新たな用途で有効活用ができれば地域の活性化や雇用を生み出すことにもつながります。

文:土屋えみ

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