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[2014年8月号掲載記事]
201408-4
2013年5月から始まった「キッチハイク」は、見知らぬ人同士が食卓を囲めるようにするインターネットサービスです。日本を訪れる外国人が日本の家庭料理を味わったり、日本在住の外国人が故郷の料理を日本人にふるまったりしています。世界にサービスを提供していますが、まだ日本での利用者がほとんどです。
「クック」がメニューやプロフィール、提供価格をキッチハイクのサイトに載せ、その料理を食べたい「ハイカー」が予約を入れて成立します。登録料は無料です。現在はアメリカ・ドルで設定していますが、他の通貨にも対応していく予定です。キッチハイクは提供価格の一部をサービス料として受け取ります。
現在、クックは20〜30代の日本人女性が大半です。レストランとは違い、クックが自宅で調理して一緒に食べるのが特徴で、食卓を囲みながら初対面の人同士で異文化交流を楽しんでいます。登録制のため、今のところトラブルはないといいます。
このサービスを始めたのは、大手広告代理店に勤めていた浅利泰河さんと山本雅也さんです。「日本でもFacebookを使う人がどんどん増えるのを見て、ネットを通じて人と人が出会うビジネスを始めたかったのです」と浅利さんは話します。2人でアイディアを出し合ううち、共通の趣味である海外旅行での体験がヒントになり、このビジネスが誕生しました。
「ミャンマーに行ったとき、私は市場でタクシーの運転手に『おいしいご飯を食べさせてほしい』と話しかけました。初めは首をかしげていた運転手も、最後は自宅まで連れて行ってくれ、家族と一緒に家庭料理を食べさせてくれました」と浅利さんは振り返ります。こうした体験を重ねるうち、「海外に家がほしい」と思うようになりました。
「それは海外に家を持つという意味ではありません」と浅利さんは言います。旅先で知り合った現地の人やその家族と共に一般的な家庭料理を味わうことに価値があると考えています。「ですから、キッチハイクは旅行者に部屋を貸したり、ホームステイをさせたりするのではなく、自宅で家庭料理を一緒に食べることが原則なのです」と説明します。
国籍や言語を問わず、世界中でサービスを提供するこのビジネスを、浅利さんは「新しいカルチャーを生み出しているというやりがいを感じています」と胸を張ります。「例えば、家族のために料理を作っているお母さんに、キッチハイクのクックとして経済的な利益をもたらすことに価値と自信を感じてもらえたらうれしいです」と言います。
「最近、西アフリカのガーナ共和国でクックの登録があったのです。インターネット環境のない貧困層の方でしたが、日本のNPOの協力で実現しました」と浅利さんは微笑みます。「まだまだ認知度が低いサービスなので、イベントを企画したり、企業と協力したりしていきたいです」と、夢をふくらませます。
株式会社キッチハイク

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