Pocket

東京の新宿二丁目といえば、日本で最も有名なゲイエリアです。およそ300メートル四方に、同性愛者(ゲイ、レズビアン)向けのバーやクラブが300軒ほどありますが、必ずしもゲイだけが集まる場所とは限りません。「ArcH」では、ゲイやストレート(同性愛者ではない人)、男女にとらわれず人々をつなぐ架け橋になりたいという思いがある店です。

店内は150人ほどでいっぱいになりますが、人気のイベントのときは平日でも200人くらいの人がやってきます。お店の記念日には一日に1,000人近くもの人が訪れました。同性愛者は出会いを求めて来る人が多く、ストレートの人々は現実とは違う体験を求め、ショーを楽しみに来る人が多いといいます。

ArcHのイベントで特に人気が高いのが、およそ4ヵ月に一度行われる「アキバナイト」です。「アキバ」とは「サブカルチャーの聖地」として世界中に知られる電気街・秋葉原のことです。アキバナイトではアニメやテレビ、ゲームの主題歌がかかり、派手に女装をしたパフォーマーやダンサーによるコスプレコンテストが開催されます。アニメのコスプレをしている人もいます。

主催者のしま乳さんは、「アニメという共通項で結んで、みんなが一緒に楽しめる場を作りたかったのです」と話します。ArcHがめざす架け橋の役割を、このイベントではアニメが担っているのです。

アキバナイトのMC担当であるマーガレットさんも、毎回このイベントを楽しみにしている一人です。日本のドラッグ・クイーン(派手な女装をしたパフォーマーのこと)としては第一人者ですが、アキバナイトだけは自ら希望してMCになりました。

毎月第一日曜日に開催される「Living Together Lounge」では、「HIVを持っている人もそうじゃない人も、一緒に生きている」というメッセージを伝えるためのライブ演奏や朗読が行われています。

ArcH: http://www.clubarch.net/

文:菅原瑞穂

[2010年1月号掲載記事]