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国際色豊かな避暑地:軽井沢

森の中に建つ教会、数百坪もの広大な庭を有する北米風の家々--独特の雰囲気を醸し出している町が長野県にある。浅間山の麓に広がる町、軽井沢だ。人口1万9千人、30分もあれば車で一周できてしまう小さな町だが、自然豊かで夏は涼しく、都会的な雰囲気を持つため、避暑地として、また、観光地として知られている。

軽井沢は、外国人が集う避暑地としての歴史を持つ。平凡な宿場町から別荘地へ一躍有名にしたのは、意外なことに日本人ではなく、アレキサンダー・クロフト・ショーというカナダ生まれの宣教師だった。1886年、布教活動の途中に軽井沢に立ち寄ったショーは、美しく夏も涼しい軽井沢を気に入り、教会(ショー礼拝堂)と別荘を建てた。

その後、彼の元を訪れる友人、在日外国大使や政治家までも、別荘を建てはじめた。こうして軽井沢は、1900年頃には約8割もの別荘を外国人が保有する、国際的な別荘地となっていた。

この頃、軽井沢の駅前は避暑に訪れる外国人で混み合い、町のあちこちに欧米文化があふれていた。その後、万平ホテルなど国際的なホテルの建設が始まり、別荘を持たない人々も気軽に軽井沢を訪れるようになった。

外国文化が軽井沢にもたらしたものは、教会や別荘だけではない。キャベツもその一つ。厳しい寒さのため、米などの作物がよく育たなかったのだが、避暑に訪れていた外国人が農家にキャベツの栽培を注文し、後に盛んに栽培されるようになった。

軽井沢には11ヵ所のゴルフ場があり、休日になるとどのゴルフ場も多くの女性客で賑わう。またゴルフ場以上に多いのがテニスコートだ。町営のテニスコートだけでも24ヵ所、その他企業の保養所やホテルが有するものを入れると数え切れないほどだ。日本人には、軽井沢のテニスコートが天皇陛下と皇后陛下の出会いの場となったことで有名だ。

軽井沢駅南口にある軽井沢・プリンスショッピングプラザは、2008年11月の増築で217店舗の出店となり、日本最大級のアウトレットショッピングモールとなった。海外からも多くの観光客が訪れるため、モール内には英語、韓国語、中国語のアナウンスが流れる。夏休みには都会の雑踏さながらに家族連れやカップルが訪れる。

駅の北側は、古き時代の軽井沢の面影を今も残す。モミジやカラマツの木々に囲まれ、静かでのんびりとした雰囲気の雲場池には、カルガモの親子が泳ぎ、小鳥の声が聞こえてくる。ゆっくり歩いても一周30分ほどの小さな池は、近くの別荘に住む人には馴染みの散歩コースだ。

旧軽井沢地区は、近代的なリゾート地として開けている。温泉や美術館などがあり、おしゃれなカフェやレストランは小道に隠れるように建っている。メインストリート近くにある聖パウロカトリック教会では多くのカップルが結婚式を挙げる。

軽井沢の象徴ともいうべき山が、標高2,568mの浅間山だ。今年の始めにも小噴火をおこした活火山で、1783年には大噴火した。そのとき大量の溶岩が流れ出て固まり、麓に神秘的な風景を創り出した。それが「鬼押出し」だ。「火口で鬼があばれ、岩を押出した」という当時の人が抱いた印象は、今も変わらず訪れた人々を驚嘆させている。

涼しさを満喫するには白糸の滝がおすすめだ。高さ3m幅70mに渡る曲がりくねった岩肌から湧き出た地下水が、数百もの白い糸のように流れ落ちている。伏流水であるため雨が降った後も濁ることなく、驚くほどの透明感を湛えている。

東京駅から軽井沢駅までは長野新幹線で一時間と少し。車の場合、上信越自動車道、碓氷軽井沢インターチェンジが近い。

取材協力/野中宣行

(2009年9月号掲載記事)

 

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