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水に浮かぶ東京の街:お台場

無駄に土地を利用しているわけでもなく、さらに言えば、余分な土地があるわけでもない東京という都市は、発展のためにより広大な土地を求め、1990年代に東京湾に面積を広げた。だが、海上に人工的な土地を造ることは、この都市にとって初の試みではなかった。江戸時代が終わりを迎えようとしていた1853年、アメリカ海軍ペリー提督率いる黒船艦隊によって国に対する新たな脅威を感じた幕府は、防衛策として湾内に6つの島を造り、そこに砲台を設置した(台場は「砲台」や「砦」を意味する日本語に由来する)。

現存する第三台場(レインボーブリッジ側)は今では陸続きになっていて、史跡としてだけでなく、都市でありながら自然に触れてリラックスできる数少ない場所の一つとしても楽しめる。わざわざそこを訪れる人はさほど多くはなく、都会の喧噪から逃れるのに最適な場所になっている。島は芝生に覆われ、美しい木々に周囲を取り囲まれている。

しかし、最大の魅力は、かつて砲台を置いたこれら島々の奥に控える、「お台場」と呼ばれる東京の臨海都市だ。台場、青海、有明北、有明南の4つの地区から成り、新たなる造成による大規模な都市計画として、90年代初めに当時の鈴木俊一東京都知事によって開発が始められた。しかしながら、90年代半ばまでに経済が破綻したこともあり、桁外れの予算が開発を遅らせることになった。それでも最終的には、企業や娯楽施設などが移転し、評判は高まり、訪れる人の数も増加した。

1997年にフジテレビが本社を移転させたことは、お台場に非常に大きな成功をもたらした。丹下健三(東京都庁舎も手掛けた)デザインによる人目を引く奇抜な建物は、東京の空に映える象徴的な存在となった。大胆な外観と局内の見学ツアーは大きな呼び物となった。

近くには白い砂浜が広がり、遊歩道が整備され、デックス東京ビーチやアクアシティお台場などのショッピングセンターが建ち並んでいる。アクアシティの前には、当初期間限定で設置された自由の女神像の複製があり、今では常設展示され人気スポットになっている。そして、その奥の地区には、パレットタウン大観覧車やヴェニス風の内装と天井に描かれた人工の空を有するショッピングセンターヴィーナスフォート、ライヴハウス Zepp Tokyoやトヨタ自動車のショールーム、メガウェブなど、多くのショッピングセンターや娯楽施設が集まっている。

さらに奥に進んだ青海地区には、オフィスビルやマンション、博物館がある。未来を感じさせる建物と環境やハイテク技術に関する展示を備えた日本科学未来館もこの地区に建てられている。同じく大胆なデザインのテレコムセンターの裏手には素晴らしい庭園がひっそりとある。近隣の羽田空港に向けて旅客機が低空飛行する時だけは、その静寂は破られる。そこから数分歩けば、人気の温泉施設、大江戸温泉物語があり、一味違ったリラックスできる。

有明南地区にある、東京ビッグサイトと呼ばれる国際展示場もまた、大きな誘致施設となっている。数々の巨大ホールでは様々なイベントや会議が行われ、国内外から人々が訪れる。そして、ここに限らず、催し物はお台場の至る所で行われる。フジテレビでは毎年夏、番組関連の出し物を展示する祭りを開催し、多くの来場者を呼び込んでいる。

お台場は今後も多くの人が集まりそうだ。そして、段階的な開発は現在も続いており、多くの新しい建物が建設中だ。パレットタウン・ヴィーナスフォート地区は借地権が現在の所有会社から森ビルとトヨタ自動車に移る。これにともない、大観覧車も含め、この地区は新たなビジネス、ショッピング、そしてエンターテイメントの拠点として生まれ変わる。2012年から2013年にはすべて完了する見込みだ。

ひとたびお台場に足を踏み入れれば、たくさんの見どころに出合えるだろう。ここに紹介したように、水の上に浮かぶ未来的なこの街は、訪れるものにかすかな歴史の面影と多くの現代的な姿を見せてくれる。

(2009年8月号掲載記事)

 

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