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東京から電車で2時間の世界遺産 ― 日光

日光(栃木県)は日本の代表的な観光地の一つで、この地の社寺および遺跡群は世界文化遺産に登録されている。東京から北へ電車で2時間ほどで行けることから、国内外から多くの観光客が訪れる。2007年度は382万人が宿泊していた。

世界遺産の二社一寺
日光観光最大の目玉は、世界文化遺産に登録されている、東照宮、二荒山神社、輪王寺。東照宮は、徳川家康--江戸(現在の東京)に260年間続く幕府を開いた--を祀った神社として知られる。杉に囲まれた東照宮の境内には、華麗な社殿、五重塔など見るものがたくさんあるが、中でも、500以上の彫刻が施されているあでやかな陽明門は特に有名だ。日が暮れるまで見ていても飽きない門ということから「日暮らし門」とも呼ばれている。

東照宮には有名な彫刻が二つある。一つは、左甚五郎作と伝えられる「眠り猫」。かなり小さなその猫の裏側には雀の彫刻がある。猫が起きていれば雀は襲われるが、猫が居眠りしていることで雀と共存している。家康によってようやく戦乱の世が終わり、平和な時代が訪れたとの解釈だ。もう一つは「三猿」。人生訓を表すコンセプトの彫刻は外国にも同様のものがあるが、日本語の場合には「見ざる、言わざる、聞かざる」とそれぞれに猿の文字が入っている。

二荒山神社には、日光を象徴する山、男体山(2,486メートル)の神が祀られている。広大な境内には、樹齢600年という杉の御神木、日光で最古の建造物である荘厳な社殿がある。福をもたらす、また、縁結びの神社として知られる。また、ここで湧き出る水は体によいとの言い伝えがある。毎年5月17日から18日にかけて行われる日光最大の行事、東照宮春季例大祭では、江戸時代の衣装をまとった千人をこえる行列が、この二荒山神社境内から出発する。

輪王寺は、今から約1200年前(奈良時代)に開かれた由緒ある寺。鮮やかな朱塗りの本堂内には高さ8メートルの金色の三尊が祀られている。宝物殿には、奈良時代から現代までの国宝、重要文化財を含む3万点が収蔵され、常時50点ほどが展示されている。庭園「逍遥園」では、四季折々の美しさを楽しむことができる。

中禅寺湖と自然の景観
世界遺産を見た後、曲がり道がいつまでも続く有名ないろは坂を経由して中禅寺湖に向かうのが一般的なルート。この坂は春、秋の観光シーズンには車が渋滞することが多い。水が澄む中禅寺湖は男体山の噴火によってできた湖で、湖畔は明治時代から避暑地として栄えた。中禅寺湖の流出口にある華厳ノ滝(高さ97メートル)は、絵のように美しく、豪快。

この美しい観光スポットを楽しむには明智平からロープウェーを利用するといい。中禅寺湖や華厳ノ滝、その先の男体山、白根山をはじめ奥日光の山々などの大パノラマが楽しめる。春の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色や氷結まで、四季折々の美しい景色を観賞できる。特に、つつじが開花する晩春の頃や紅葉の時期は見逃せない。年間平均気温は市街地で12℃程度、山間部では7℃程度。夏は比較的涼しく、冬は氷点下になることも多い。

もう一つの日光 - 温泉とテーマパーク
日光は温泉地でもある。中禅寺湖周辺はもとより、奥日光の湯元などほとんどの旅館で温泉が楽しめる。日帰り客用の温泉もある。その中の一つは市営温泉、やしおの湯。日光駅から車で15分、いろは坂を登る手前にある。病後の回復などに効能があるという。奥日光湯元温泉の源泉近くには、約40人が一度に入ることができる無料の「あんよの湯」(12月から4月下旬まで閉鎖)がある。白濁した湯に足をつけるだけで、気軽に温泉気分を満喫できる。

日光には、他にも有名な温泉地がある。東部地域にある鬼怒川温泉で、鬼怒川に沿って温泉旅館が建ち並んでいる。この地域には、たくさんのテーマパークがあることでも有名だ。社寺や中禅寺湖などの観光を兼ねて訪れる観光客は少なくない。

東武ワールドスクウェアは世界各国の有名建築物を25分の1のサイズで精巧に再現したテーマパーク。102点のうち、世界文化遺産に登録されている建築物が45点も展示されている。

江戸ワンダーランド日光江戸村は、江戸を再現したテーマパークで、時代劇の世界にひたれる。入口の関所を通り、街道を進むと宿場町がある。そこから忍びの里へと続く。ここには、忍者屋敷や黄金の茶室などがある。また、おいらん道中や大道芸なども見られる。行き交うスタッフも全員が着物など伝統的な衣装で、江戸時代にタイムスリップしたような感覚を覚えるかもしれない。

日光へのアクセス
東京から日光へ行くには、JRと東武鉄道がある。東京からは「まるごと東武フリーパス」シリーズが便利だ。浅草からの鉄道運賃に加え現地のバスが乗り放題で、かなりお得だ。パスは、社寺や中禅寺湖などを回れる「まるごと日光東武フリーパス」(3月まで大人4,030円。4月~11月4,400円)、鬼怒川・湯西川エリアとテーマパークを回れる「まるごと鬼怒川東武フリーパス」(3月まで大人4,240円。4月~11月4,600円)、さらに、その両方をカバーする「まるごと日光・鬼怒川東武フリーパス」(3月まで大人5,470円。4月~11月5,980円)がある。

外国人向けには世界遺産に絞った、さらに格安な「World Heritage Pass」(大人3,600円)がある。このパスがあれば世界遺産の社寺の入場料はかからない。また、東武ワールドスクウェアと江戸ワンダーランド日光江戸村の二つが含まれた「 Kinugawa Theme Park Pass 」 (大人、7,200円)、さらに、日光地域のバスを利用できる「 All Nikko Pass 」(大人4,400円)がある。
これらのパスで、他の施設や買物などの割引が受けられる。特急料金は別途かかる。

日光観光協会 www.nikko-jp.org/
鬼怒川・川治温泉観光協会 www.kinugawa-kawaji.com/en/
東武鉄道 www.tobu.co.jp/foreign/
東武ワールドスクウェア www.tobuws.co.jp/
江戸ワンダーランド日光江戸村 www.edowonderland.net/

(2009年3月号掲載記事)

 

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