■日本国内旅行情報
観光地案内―日本国内旅行情報
伊豆大島 ― 東京の保養地アイランド
たいがい東京といえば、ひどく混雑した、都心を想像するだろう。少なくとも都民は、そこが理想のバケーションスポットであるとは考えないだろう。実際、東京都には伊豆諸島と小笠原諸島があり、主だった島が11ある。そしてそれは1,033kmも南へ伸びている。大島が面積最大の島でもっとも東京に近い。そこに一際目立つ活火山の三原山は、すでに面白い東京都にドラマチックな一面を加えている。
三原山は別名「御神火」(噴火の神)と呼ばれ、近年の大きな噴火は1986年11月15日に起きた。溶岩を空中に噴出し、溶岩流は火口の縁から流れ落ちた。この日、全島民一万人が島外へ脱出。約一ヵ月の避難生活を余儀なくされた。
758メートルの三原山は登山口から頂上までは歩きやすく、1時間ぐらいで一周できる、大きくて目立つクレーターが特色だ。クレーターの縁には、1986年の噴火にも驚異的に被害を逃れた小さな展望台と三原神社がある。
山の裏側には裏砂漠と呼ばれる不毛の地がある。そこは、地球からかき回されて出てきたマグマの残骸である黒い砂と岩の、目を見張るような広大で印象的な場所だ。この地域は島の他の部分と比べると別世界の美しさがある。歩きやすいが、そこへ行くには四輪駆動車で行くか、道路からかなり歩いて行くしかない。
大島でもっとも身近で有名なものは、豊富な椿の木々だ。見ごろは1月から3月。訪れるには少し寒いかもしれないが、三原山やその周りの自然、そして遠くに見える富士山というすばらしい景観を、最も澄み切った天候が見せてくれる頃だ。
大島の椿は450種類あり、赤や白の花を咲かせる。島のどこでも見られるが、一番いい場所は大島公園だろう。そこには椿資料館があり、抽出された椿油のさまざまな使い方などの情報が得られる。椿が花咲くシーズンの1月末から3月末まで椿まつりが開かれる。
大島には訪れたい博物館がたくさんある。伊豆大島火山博物館は、島で一番大きく、凝った博物館だ。館内には精巧にできたおびただしい数の展示物がある。三原山だけでなく世界のたくさんの火山の写真が、ビデオや石の見本と共に説明されている。ほとんどの展示物に英語の説明が付いている。
もし、もっと活動的なことをしたいなら、スキューバダイビングやサイクリングもできる。もっと日本の伝統的な体験をしたいのであれば、ふるさと体験館で日本の太鼓の打ち方を学べる。とても面白く、あまり難しくはない。かなりやさしい練習ですむ。1コース1,050円で、2,100円コースではバチ(ドラムスティック)がもらえる。定番のキーホルダーや土産物の菓子に比べれば、どこにもないお土産だ。
島の中央に活火山があるので、大島が温泉に恵まれていても驚くことではない。露天風呂はたいてい三原山や海に面している。元町浜の湯の隣に、奇妙なものがある。国際的に有名な怪獣、日本のゴジラの胸像が小さな公園の真ん中に、「どうしてここにゴジラが? ごぞんじですか?」という質問が書かれた看板と共に置かれている。看板は、東宝が「ゴジラ」とそのまま名づけた1984年製作の映画で、ゴジラの終焉地として大島の火山を選んだとの説明が続く。そして、最後に看板は、怪獣を眠りから起こすなと警告している。
英語が使えるかどうかは運まかせだが、大島は今、英語で外国人観光客を迎えられるように努力しているところだ。たとえば、元町港には、港の施設から歩いて出ると観光客用の目立つ地図が迎えてくれる。また、その近くの小さな観光案内所には少しだが英語の刊行物もある。島中、通りのサインや観光スポットの看板などには英語での表示もあるので、ドライブやサイクリングには便利である。しかし、博物館の説明は不十分だし、日本語のみのところもある。
交通に関しては、バスが島中を走っており、主な観光スポットへも行く。レンタカーが一番便利だ。比較的交通量も少ないため、運転はかなり簡単だ。タクシーは港で拾えるし、必要なら後で呼び出すこともできる。自転車やスクーターのレンタルもある。自転車は、内陸部の坂や風の強い道路では良いといえないが、海岸沿いを走るのは爽快である。
大島への交通費は安くはないが、行き方はいくつかある。竹芝桟橋(東京・港区)からジェットフォイル(高速船)に乗るのが価格とスピードの面からも納得できる。島まで約1時間45分で行け、往復16,500円。片道15,000円を払うのが惜しくなければ、羽田から飛行機でわずか35分で行ける。日帰りもできるが、滞在日数や行き方はどうであれ、東京都に属する大きな島は、確かに探検してくる価値はある。
(2009年1月号掲載記事)





