■日本国内旅行情報
観光地案内―日本国内旅行情報
穴場の下町― 谷根千
浅草などの下町は外国人観光の定番となっているが、まだ海外からの観光客にあまり知られていない下町が一つ残っている。谷根千だ。
谷根千とは、根津、日暮里、千駄木の駅を結ぶ三角地帯のことだ。日本語には地域名を合成して短く呼ぶ習慣があるので、谷根千が谷中(日暮里駅の南側の地域)の「谷」、根津の「根」、千駄木の「千」からきていると聞いても驚かないだろう。
この地域は、小さな寺、神社、古い邸宅、昔ながらの庶民の住宅地が点在する狭い裏通りとみなされている。近代的な東京のせわしない生活から少し休憩したいとき、これらの組み合わせが谷根千を午後の散策に申し分ない場所にしている。
JR日暮里駅の西口から丘陵に向かって出発。谷根千散策は、アパート、住宅、時折出合う店などが連なる地味な通りから始まる。しばらくすると道は平坦になり、単調さを破るような小さなお寺が右側に現れ、谷根千本来の景色が始まる。
下り坂になったところで道は二股に分かれるが、右に行くとメインの商店街、左に行くと迷路のような裏道に出る。商店街は後のお楽しみにして、左に行って、裏道を南に向かって進むと、彫刻館、お墓、一連の小さなお寺や神社などがある。
これらのお寺や神社群を西へ15分ほど歩くと、この地域で一番壮大な宗教的建物と思われる根津神社がある。現在の建物は5代将軍、徳川綱吉により1705年 に建てられ、東京に現存する古い建造物の一つとなっている。建物のいくつかが重要文化財に指定されているのも不思議ではない。
お寺の敷地内に二つ目の神社がある。米の女神、稲荷に捧げられた神社で、京都の伏見稲荷神社のように、主殿にいくまでの狭い道におびただしい数のきつね像と 何本もの鳥居が並んでいる。根津神社とその周辺は、一年中美しいが、4月と5月上旬には地面を多様な色に染めるつつじ(アゼリア)が咲く。
根津神社を後に、千代田線の千駄木駅か根津駅に向かってもよいし、蛇道に直行し谷中銀座まで曲がりくねった道を行ってもいい。谷根千の片方の道から他方の道 まで蛇のように道がくねくねと曲がっているためその名前が付いた。その道を見付けるのは難しいので、主要な道が載っている観光客用地図をこまめにチェック する必要がある。さもなければおそらく地域の交番で道を聞くことになるだろう。
狭い蛇道は、お天気のよい日には洗濯物や布団がベランダに干してあるような地域を通っており、静かな住宅地はコインランドリー、小さな八百屋、1~2軒の居酒屋で時折さえぎられる。やがて道幅は広くなり、地域の中心的な商店街である谷中銀座の端に出る。
谷中銀座には、地元の人達が食品や日用品を買う店や、週末にバスでやってくる観光客用のレストランや土産物屋が入り交じっている。平日はあまり混雑していないし、谷根千散策を終えて丘陵を越えて日暮里駅に戻る前に一服するにはベストな場所だ。
(2008年11月号掲載記事)





