■日本国内旅行情報
観光地案内―日本国内旅行情報
水晶のような清流が流れる安曇野
俳優の寺尾聰 演ずる人物が、穏やかで水晶のような清流に沿ったのどかな田舎道をさ迷い、静かに回るいくつかの水車に出あう。過去から抜け出したような服装の子供たちが 花を摘み、歩いている。こののどかなシーンは、最も著名な日本の監督黒澤明が、自らの夢に基づいて超現実的な物語を描いた29作目のオムニバス映画「夢」 の最後の章に登場する。
しかし、この場面はよくできたセットなのか、それとも実際の場所なの だろうか? 答えは両方だ。確かに、夢は現実と想像がしばしば混じりあう。しかし、このすばらしい融合が見られる場所が、長野県安曇野にある大王わさび農 場だ。日本一広いわさび農場で、東京ドームの11倍の広さがある。
おいしいわさびの育成にはきれいな水が必要だが、山から流れる蓼川の水は最適だ。大王わさび農場には以前から美しい川と青々とした草木があったが、完璧を目指す黒澤は、農場の側を流れる蓼川に沿っていくつかの水車を作った(現在は3つだけ残されている)。
ホー スラディッシュ(西洋わさび)の日本版として世界でも有名なわさびは、通常寿司や刺身に使われる。わさびは一年中育つが、農場へ行くのは春がいい。涼しい 気候と桜並木の散策が、快適な旅になるだろう。夏に行くのもまたいい。少し暑いけれども、緑の木々と山からの川の水が、身体と心を癒してくれる。
もちろん、わさびの栽培を見る以外にも楽しめるものがある。わさびを使ったバラエティに富む食べ物で、わさびホットドッグ、わさびチョコレート、人気のわさ びアイスクリームなどを楽しめる。香辛料の刺激に弱い人でも大丈夫。普通のわさびにもかかわらず、これらの食べ物はマイルドで、風変わりで驚くほどおいし い味だ。
試食をしたり、お土産や工芸品を物色したりするほか、クリアボートで川下りをするこ とができる。クリアボートツアーはガイド付きで、数人を乗せ、水車を見ながらラフトでのんびりと川を下る。15分(900円)、30分(2,000円)の コースがある。このツアーは4月26日から10月26日の間営業している。
その他、安曇野には美術館がいくつかある。その中のひとつに、碌山美術館がある。JR大糸線穂高駅から歩いて7分のところにあり、彫刻や絵画を展示している。つたに覆われ、尖塔のある教会のような建物は、少し遠回りになるが、一見の価値はある。この地域にはお寺や温泉も
ある。
大王わさび農場は少し遠いが、簡単に行ける。タクシーなら5分ほどだ。しかし、もっと楽しい行きかたは、駅の貸し自転車で行くこと。通常1時間 200~250円。タクシーの往復料金よりも安いし、楽しい。エメラルドグリーンの田畑や日本アルプスに囲まれた間を軽やかに行くことができる。あちらこ ちらにある道案内板が導いてくれるので迷子になる心配はない。
これらの小旅行はのんびりとし た一日を過ごせる。都会を脱出するにはいい選択だ。東京方面から安曇野へ行くには、新宿駅から出発するJR中央線のあずさ号かスーパーあずさ号に乗れば松 本へ直行する。約2時間半だ。そこから大糸線に乗り換え30分で穂高駅に着く。駅の隣のインフォメーションセンターに寄ることを勧める。熱心に手助けして くれる、英語を話す案内人がいることもある。
文:ジェレミー・ドローウィン
安曇野市観光協会
http://www.azumino-e-tabi.net/
(2008年10月号掲載記事)




