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| 日常を切り取って作品づくり お散歩ネット創設者フォトグラファー キット・タケナガさん 塊世代の退職が2007年から始まった。これらの多くの人が様々な趣味やボランティア活動を始めているが、特に写真が人気だ。カメラメーカーや新聞社による写真コンテストは盛んに行われる。個展を開いて友人を招く人も多い。人気の理由は、言われたことをこなすのが当たり前だったサラリーマン時代と違い、写真を通じて自己表現できるからといわれる。 そんなカメラ好きな人たち、それもネットを使う人たちに人気なのが、「お散歩ネット」だ。会費無料で誰でも参加できるこのサイトには、団塊世代を中心に10代から80代まで約500名が会員登録している。無料メールマガジンの登録者は1万人以上。お散歩ネットの人たちは皆、自分のブログで作品を掲載している。「ブログなら5分で立ち上げられるから」というのが理由だという。 創設者でプロのフォトグラファー、キット・タケナガさんはこのサイトを始めたきっかけを話す。「ある日、これを使って撮ってくれとデジタルカメラを手渡されました」。それまでプロがデジタルカメラで仕事をすることはなかった。「使い勝手が違うので苦労しました。でも、これからはデジタルカメラの仕事が増えるにちがいないと思い、毎日何かを撮影して、それをサイトにアップしたのが始まりです」。 メールマガジンを始めたのは一年後の2003年。プロのフォトグラファーによるメールマガジン、それも無料というのは初めてのことだった。ネットのつながりでお互いの顔を会わせる機会はあまりないが、お散歩ネットの人たちにとって、ネットはあくまでも手段だ。メールマガジンの読者に撮影会の呼びかけをしたところ恒例化。そのうち地方の人がうらやましがり、今では北海道から沖縄まで様々な場所で撮影会が開かれる。 一枚として同じ写真はない お散歩ネットでは毎月「今月のお題」が出され、有料(月1,000円)のメルマガをとっている人は応募すると、ただで講評がもらえる。プロのコメントがもらえるのが魅力だが、キットさんはかなり辛口だ。「ボロぞうきんのほうがましだとか、ひどいんですよ」。「一言、『駄作』のときもあった」。師匠賞を受賞するとキットさんが撮った写真を額入りでもらえる上、キットさんにほめられる。 今、風景写真が大人気だという。「観光写真・図鑑写真ではつまらない。きれいなだけでは、だからどうしたになる」とキットさんは言う。「いい写真とは、一瞬で目をひき、顔を近づけて見たくなるようなアイキャッチがあること。しかも見るたびに新しい感動を生む写真、写っているものの裏側に隠れているドラマまで想像力がわくもの、それがいい写真だと思う」。 「写真は日常見ているものを四角に切り取って別のものにすること」とキットさん。会員の、のりおくんは写真の難しい点をあげる。「撮ったものを消していくのが難しいですね。自分でいいなと思って100枚並べても、師匠はそのなかから5枚選べ。あとの95枚は捨てろ。と言うんです。とてもプロにはなれません」。 「恐いものがなくなりました」と笑うのは会員のOJ熊さん。「嫌いだった蜂や蛇を見ても今ではいい被写体!と思うし、台風のときも荒々しい波が撮れる!と外へ飛び出しちゃう。地面に寝転がって撮ったり、腹ばいになったりして撮影することも。どこでも行けるように長靴は必需品」。「これって一人だと恥ずかしいですけど皆と一緒だと平気なんです」と天災キャットさんが続ける。 「皆4年前に比べてものすごく上達したと思います。いい写真をたくさん見ることが大事。最初は真似でいいんです」。カメラは遊び道具。難しくはない。面白いんだ。と話すキットさん。「カメラさえあれば誰でも撮れる。初めて手にしたカメラで最初に撮ったもの、それが芸術作品になることだってあるんですよ」。 お散歩ネット 取材協力 東京ビジネスホテル |
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