日本をより理解するための傑作記事(ひらがなタイムズ誌面より)
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日本でラーメン店を開いたアメリカ人

「アイバンラーメン」店主、アイバン・オーキンさん

中国から伝わったといわれるラーメンは、日本で気軽に安く食べられる庶民の味として親しまれている。独自のスープや具と麺とで作られるラーメンは、日本で大ブームだ。東京では地域間での味の競争が熱く繰り広げられている。

そんなラーメンの激戦区の東京に、青い目のラーメン屋さんがいる。「いらっしゃいませ! しょうゆですか? それとも塩?」明るい声の日本語で迎えてくれたのは、アメリカ人男性のアイバン・オーキンさん。東京、芦花公園駅近くにオープンしたばかりのラーメン店、「アイバンラーメン」の店主だ。

厨房の、スープが煮込まれた大きな鍋を背に、「長年の料理経験をいかして自分の麺、ラーメンを作っています。アメリカ人だから他の人より努力しないと。普通にうまいラーメンではお客さんは戻ってきてくれません。絶対においしいものでなければ!」とアイバンさん。10人ほどが座れるカウンターだけのお店。店のロゴやメニューなどはポップな作りで、店内にはジャズが流れている。麺はすべて自家製だ。

ニューヨークで生まれ育ち、世界でも有名なレストラン、ルテス、ボビーフレイのメサグリルで経験を積んだ。また、7年間ファーマンセルツ(今のINGベアリングズ)投資アナリスト会社のプライベート・シェフとしても腕をふるっていた。そんな立派な経歴を持つアイバンさんが、なぜ日本でラーメン店を開くことになったのだろうか?

それは、映画「タンポポ」を観たときの衝撃が大きかったからだ。「一度も食べたことがなかったのですが、忘れられなくて、本物のラーメンを食べるのが待ちきれなかったです」。コロラド大学(ボルダー)で日本文化を専攻した後、1987年に日本へやってきた。そして、英語教師として働き始める。「ラーメン屋にばかり行っていました」と思い浮かべる。

いったん帰国したが、2003年に日本へ戻った。アイバンさんは主夫をしながら自宅のキッチンで小さな料理教室を開いた。「ラーメン屋をずっと始めたかったのですが、うまくいくか不安でなかなか踏み出せませんでした」と当時を語る。しかし、日本で何かやりたいという強い気持ちが開店を決意させた。

1年間の試行錯誤を続け、開店の準備が整い、2007年6月にオープン。店では謙虚なアイバンさんを表すように、心のこもった手作りラーメンを出す。「シェフはごうまんになってはいけないと思います。私のラーメンを食べに来てくれる人がいるだけでありがたいと思います」とアイバンさんは強調する。

アメリカ人がラーメン屋ということで、一部の人たちから「どうせ外人だから」という批判もあったという。でもアイバンさんは「“外人”じゃなくて“ラーメン狂”が作るラーメンと思って欲しい」と言う。今は日々、一杯のラーメンに魂を込めることが大事というアイバンさん。まだ将来のことを語るには早すぎるが、アイバンさんはラーメン狂たちを喜ばせていきたいと思っている。

アイバンラーメン
www.ivanramen.com/

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