| 日本をもっと知る - サブカルチャー | |
| コスプレイヤーはエンターテイナーであり、親善大使 漫画やアニメに登場するキャラクターの衣装を着て、そのキャラクターになりきるコスプレ(コスチューム・プレイ)が、世界に広がっている。日本独特のオタク文化から始まったが、「世界コスプレサミット2006」では外務省や国土交通省が後援したほどだ。 塾の講師をしている万鯉子さんと蝶子さんは、そのコスプレにはまっている。「世界コスプレサミット2006」に、二人はアニメ「ベルサイユのばら(ベルばら)」のオスカルとマリー・アントワネットに扮して出演した。世界9ヶ国からコスプレの精鋭たちが集い、レベルの高いパフォーマンスで会場を沸かせる中、栄えある第二位を獲得。 二人は、2002年の「スター・ウォーズ・エピソードII」公開初日のイベントで出会い、意気投合してから、コスプレ・イベントに一緒に参加するようになった。現在、年に10ヶ前後のイベントに参加しているが、ピーク時には50回以上参加したという。今では日本だけでなく海外からも招待されることがあり、衣装と小道具を持ち駆け回っている。 新作の映画が上演される初日には、大きな映画館で俳優や監督などのあいさつがあるが、二人は事前に主催者に了解を取り、コスプレ姿で出かける。映画出演者は、それほどキャラクターにほれ込む彼女たちに大喜びするという。また、鳥取県の中国庭園、燕趙園では、「中華コスプレプロジェクト」を2006年より開催しているが、そのPRポスターのモデルも頼まれた。 衣裳はすべて自作だ。「衣裳作りでは自分が扮するキャラクターの役作りや作品の歴史的背景など、入念なリサーチが欠かせません」と万鯉子さん。生地選定、小道具作りには、絶対に手を抜かない。それらを調達するため、海外へ足を運ぶことも多いという。 スター・ウォーズのコスプレ・イベントのときには、蝶子さんは映画の中で一瞬しか出てこないクィーン・アペイリナの衣装を作ることにした。しかし、その情報はサイトに小さく載っている胸から上の写真だけだった。「襟がこうだから、帯はこうだろう」という具合に想像して作り上げた。その甲斐あって、3位に入賞。実際の衣装も想像通りだった。 「給料はほとんど衣装作りに使い果たしてしまいます」と万鯉子さん。裁縫は食事をするのを忘れるほど没頭する。「コスチュームを作り始めたとき、娘が裁縫に目覚めた!と母は大喜びでしたが、今ではそろそろやめて結婚したら?などと言っています」と笑う。 別人になれる快感 「コスプレへの情熱や熱気は日本より海外の方が熱いですね。ヨーロッパのコスプレイヤーは、ライトをあびたときに映える衣装を作りますが、アジアの人は逆に見えないところにもこだわります。アップで見なくちゃわからないような小さい刺繍もきれいに仕上げます」と、二人は地域による違いを感じるという。 名古屋在住のドイツ人、シンディさんはコスプレを通じて日本に憧れるようになった熱烈なコスプレイヤーの一人だ。「周囲にはまだコスプレを理解できない人もいますが、私にとっては生活の一部です。コスプレで世界中にネットワークを築けます」と、そのメリットを強調する。 南米で最もコスプレが盛んなブラジルは、コスプレイヤーのレベルが高い。2006年の世界コスプレサミットでマウリシオさんと妹、モニカさんのペアが優勝した。「ブラジルでは今、コスプレは若者に最も人気のある娯楽の一つだよ。大好きなコスプレを通して、夢だった日本へも行けて、友達も沢山できた」と、マウリシオさんは日本の思い出を語る。 世界コスプレサミットは2007年で5回目を迎える。「海外勢としては、ブラジル、中国、タイ、ドイツ、フランス、イタリア、スペインなどが上位の有力候補。今後はオーストラリア、イギリス、インドの参加に期待がかかりますね。海外のコスプレイヤーは、ステージの企画、演技、演出まで本当に凝っていますよ」と万鯉子さんは説明する。 「コスプレイヤーのなかには自分さえ楽しめればいいと思っている人もいますが、私たちはきちんとルールを守りたい。また、コスプレを通じて日本のことをもっともっと好きになってもらいたい」と蝶子さんは続けた。コスプレイヤーは単にエンターテイナーではなく、今や親善大使のような役割も求められているのかもしれない。 写真提供:テレビ愛知 |
|






