| 日本をもっと知る - 外国人の目/異文化 | |
| 都会の小さなミステリー 文:ジャン・アルダン(フランス) 日本に来て間もないころ、日本人の友達と大きな駅近くの喫茶店で待ち合わせをした。駅前で若い女性が小さなビニールパックを通行人に配っているのを目にした。私は中に何が入ているのか、興味を持った。私はそのパックをもらおうとその女性の前をゆっくりと進んだが、彼女は横を向き私を無視した。 振り返って彼女を見ると、私の後からきた通行人には笑顔で差し出していた。しかし、その通行人は逆に彼女を無視したように、それを受け取らなかった。よく観察すると、受け取る人と受け取らない人がいる。不思議に思いながら前へ歩いていくと、例のビニールパックを通行人に配っている別の女性がまた目に入った。 ますます興味を抱いた私はその女性の近くを通ったが、彼女も私にはくれようとしなかった。私はむっとした。日本人にはあげているのに私にはくれない。私が外国人だからなのか。だとしたら人種差別ではないか。喫茶店で友達に会いそのことを話すと、女性が配っていたのはティッシュペーパーだと言った。 そのパックに広告が印刷されているか、中に広告が入っているのだという。私にくれなかったのは、外国人に宣伝しても意味がないからだったのだ。私はようやく納得できた。後日、私がかぜを引いたとき、丁度、ティッシュペーパーを配っていた。どうしても欲しかったので手を差し出すと、彼女はにっこりしながらくれた。何ていい国なんだ |
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